会社売却でメジャーな方法の一つに株式譲渡があります。
特に、中小企業のM&Aでは最も使用される方法です。
株式譲渡とはその名の通り、株式を相手に譲渡する形で、会社売却を完了する方法です。
会社売却のメリットやデメリットとは?
会社の存続は、承継者の選出や安定した経営など壁が多いものです。今回は、会社売却を考えている人に向けて、会社売却の際におさておきたい、メリットやデメリットについて紹介していきます。
オーナーは、株式公開よりも早くシンプルに現金を手に入れることができます。(オーナーである起業家の事情により、早期に現金を必要とする状況になった場合などにも有効です。)
手続きが比較的簡単で、オーナーに直接譲渡代金が入ります。
合併とは、2つ以上の会社が統合し、1つの会社になる方法です。
中小企業で活用されるケースは少なく、大企業がよく活用する方法です。
合併自体にも方法が2種類あります。
2つ以上の会社がいずれかの会社に吸収される形で実施される「吸収合併」と、新しく作った事業体に全ての会社が吸収される「新設合併」の二種類の方法があります。
実際に活用されるケースが多いのは前者です。
事業譲渡とは会社の事業を第三者に譲渡/売却することです。
この場合に譲渡される対象は、事業を行うために必要な権利(許認可)、人、商品、機材などです。
また、対象となる事業は会社のすべての事業を売却することも可能ですし、一部の部門のみの売却も可能です。
この「事業」とは、「事業用財産である物および権利だけではなく、これに得意先関係、仕入先関係、販売の機会、事業場の秘訣、経営の組織等の経済的価値のある事実関係を加え、一定の事業目的のために組織化され、有機的一体として機能する財産」をさします。
会社売却をする最大のメリットは、自分の会社の事業を継続できるということです。廃業してしまうと、創業から培ってきた技術やノウハウは誰にも受け継がれずに廃れていきます。しかし、売却すれば買手企業の中で伝承していくことが可能となるのです。
大金が入ることが、一番分かりやすいメリットではないでしょうか?中小企業でいえば、社長自身が100%保有しているケースが多いので、例えば300万円で30年前作った会社が、当期純利益で1億円出ているような会社になっていれば、ざっくり5億円程度で売れるかもしれません。
中小企業の経営者の大きな悩みの一つが連帯保証かと思います。連帯保証がネックで、息子に継がせづらい。幹部や外部人材に継がせづらいという事実があります。会社を上場企業に売却することができれば、ほぼ確実に連帯保証が外れますし、未上場企業が買い手であったとしても買い手が引き継ぐのが一般的です。
事業を引き継いでもらえることでそれまで会社を引っ張ってきた役割から解放されます。それによって休みを得ることができ、家族との時間や趣味に多くの時間を使うことができるようになります。
売却先の企業に拘束されるリスクがあることです。売却してしまうと会社の所有権は売却先に移りますが、ある程度の期間子会社の社長として勤務しなければいけないなど拘束されることがあります。
原則として、これまでのようなやり方での意思決定ができなくなります。
特に社内の人事や、売上や利益の目標金額、それにともなう各種費用の予算等について、買収先の意向が一定以上入ることになります。
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