通信制高校とは、全日制高校や定時制高校とは異なる方法で高卒資格を取得できる高校です。
全日制高校や定時制高校とは、平日の日中や夜間に学校へ登校し、単位を取得していく形式の高校です。一方で通信制高校は、毎日学校へ登校する必要はなく、レポートやテストを郵送やパソコン通信で行うことによって高卒資格を取得します(ただし年に一定期間「スクーリング」という面接指導があります)。
通信制高校を比較して自分に合った高校を選ぼう!
通信制高校は多くあるけど、どこに通えばいいのか選ぶのに悩んでしまう人もいるはずです。そんな方に知ってもらいたい通信制高校を比較するときのポイントを紹介していきます。
通信制は、全日制・定時制と並ぶ教育課程で、一人ひとりに合ったペースで学習し卒業資格を取得することができるため、すでに働いている人や、高校を中退した人、学業不振で現在の学校では卒業が困難な人など、さまざまな人が通っています。
最近では、不登校で悩む生徒や、発達障害により通常の学習が難しい生徒などにも適したスタイルとして注目されています。
通信制高校の場合、1日の学習時間というのは、学生によって本当にさまざまです。1日30分~1時間程度勉強をする学生もいれば、毎日4~5時間しっかり勉強する学生、平日は働いて週末に7~8時間まとめて勉強する学生もいます。
正直なところ、「卒業することが目的」というのであれば、毎日ビッシリと学習する必要はありません。1日30分~1時間程度の勉強でも、卒業することはできます。学習内容が少ないというよりは、要点を抑えた学習になっています。
全日制高校は月曜日から金曜日まで毎日授業がありますが、通信制高校は月に数回のスクーリングを受けるだけで、あとは自宅で自由に勉強をすることができます。「毎日学校に行って同じ席に座り、時間に縛られて勉強しなければならないのが苦痛」という人には、ピッタリの学習スタイルといえます。
公立の通信制高校では、世帯収入次第で3年間通っても10万円ほどで卒業することができます。
私立の通信制高校は、学べる内容やカウンセラーの有無などに変わりますが、年間30万円~90万円程度費用がかかってきます。ただし、高校就学支援金の利用や、学校やコースによって、自己負担金はかなり違ってきますので、かならず学校に問い合わせて確認しましょう。
通信制高校は時間の融通が効くので、アルバイトやパートをしながら、正社員で働きながら通っている人もいます。これにより、金銭的な問題で全日制の高校には行けない、という人でも高校を卒業することが可能です。
全日制高校などの場合、1年間で取得すべき単位数が決まっており、それが取得できなければ留年となってしまいます。授業の時間割りは一律に決められており、単位取得のための試験も、各学期2回ずつ定期的にやってきます。そのため普段の授業についていかなければ、単位を落としてしまうという可能性があるのです。一方で通信制高校の場合、レポートの提出期限はあるものの普段の学習は自分のペースで行えます。
通信制高校は、自分で自由にカリキュラムを組むことができます。
例えば、通学週1日コースであれば、週6日間を、自由に使うことができるのです。もちろん、自宅学習をする必要はありますが、それでも自分の自由になる時間をたくさん持てます。そのため、通信制高校は、成人して仕事に就いている人でも学習を続けることができるのです。
全日制や定時制高校では、学校に行ってカリキュラム通りに勉強を行うことで高校を卒業できます。
しかし、通信制高校は基本的に自学自習。
レポートも自分で教科書を見ながら作成しなければなりませんし、そもそも誰かが勉強時間を決めてくれる訳ではありません。自分で勉強時間を確保し、自ら学習に取り組む必要があります。
通信制高校に通う人には、中学時代に人間関係が上手くいかず、学校へ通えなかった人も多くいます。
通信制高校は平日に必ず登校する必要がないので、人間関係で苦労している人にとってはありがたい環境かもしれません。
しかし、卒業後のことを考えてみましょう。
卒業後に進学するにせよ、就職するにせよ、人とまったく関わらなくてもいい状況はめったにありません。何らかの形で人とは関わらなければいけないのです。
自身で学習計画を立て、それに沿って日々の勉強やレポートをこなしていくことになるため、自分で決めて自分でやりとげる力が大切なのです。しかし、場合によってはうまく学習を進められなかったり、計画からズレが生じてしまったりすることもあるでしょう。その場合は、学校にいる教師やカウンセラー、学習センターのスタッフなどに相談しながら、再度ペースを立て直してみましょう。自主性が重要ですが、決してひとりぼっちなわけではありません。
分のペースで好きな時間に好きなだけ勉強することができるということは、言い換えれば「自分で勉強時間を確保してきちんと課題をクリアしなければならない」ということ。つまり、自分できちんとスケジュールを管理して、レポートを提出しなければなりません。
事実、自己管理がうまくいかず挫折してしまう人もいらっしゃいます。
通信制高校は、生徒が通学できる区域によって「広域」と「狭域」という種類に分けられます。
広域通信制高校 ⇒ 全国あるいは3つ以上の都道府県の生徒を募集対象
狭域通信制高校 ⇒ 高校所在地ともう1つの都道府県の生徒を募集対象
私立の通信制高校は広域通信制を導入しているケースが多く、高校とは別にスクーリング会場を設けているので県外の生徒も募集対象となっています。
少なくとも、年間20日程度のスクーリングが必要となりますので、通学に無理のない距離での高校を探しましょう。
【公立】
1単位 … 180~1,200円
卒業に必要な費用 … 10万円程度
【私立】
1単位 … 5,000~12,000円
卒業に必要な費用 … 40万円程度
全日制と同じく、通信制高校も公立の方が学費は安くなっています。
しかし、世帯収入によっては修学支援として最大1単位4,812円をもらえるため、単位取得にかかる費用は、公立では無料。私立の通信制高校でも20万円程度となるでしょう。
014年に文部科学省が行った学校基本調査のデータによると、公立の卒業率が12.4%なのに対し、私立が37.8%(ヒューマンキャンパス高校の場合は、卒業率96.2%です)と、私立の卒業率の方が公立よりも3倍以上も高いという結果でした。 なぜ、ここまで大きな差が生じたのでしょうか。
その原因の一つとして挙げられるのがサポート体制の差です。 通信制高校には、不登校やいじめを経験してやってくる生徒も少なくありません。 そんな生徒達のために、私立の通信制高校では学問を教えるだけでなく、精神的サポートも手厚く行っています。
通信制高校によっては、自分にあう学習スタイルを選べるところや、不登校、無気力、発達障害など、生徒と親の悩みに対して、サポート体制を持っている通信制高校もあります。
そんな学校を選ぶ時には以下の3ポイントを覚えてください。
【通信制高校を選ぶ時に注目すべき3つのポイント】
-Point1:学習スタイルによって選べる授業コースの豊富さ
-Point2:生徒にとって常に相談できるサポート体制になっているか
-Point3:卒業後も継続してキャリアサポートができるか
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