コインパーキングという駐車場を経営する際、メリットだけでなく、デメリットも踏まえた上で、その対処を考慮しておく必要があります。
コインパーキングは機械式で自動精算ですから、管理の手間はほとんどかかりません。それは一方で、機器を壊されたり、精算機から売上金を盗まれたりするリスクにも通じるのです。特にコインパーキングは365日24時間営業ですから、深夜帯などは特に無防備な状態に見えます。
駐車場経営を行う上でのリスク管理
駐車場経営を行う上でのリスクについてまとめました。どのような事件・事故が発生するのか想定しておくことは大切です。事件・事故の発生を防ぐにはどのような対応をするのかもまとめました。
よくある対策として、「駐車場内での事故には責任を負いません」とする文言を、看板で設置したり契約書に記載したりするのですが、これは駐車場側に過失がないことを前提としており、適切な管理を怠って過失があると、責任を免除することはできません。
例えば、駐車マスや車路が通常必要とされるよりも狭く、接触事故が起こっても何ら不思議ではない、出入口の見通しが悪いのを知っていて改善しない、コインパーキングの車止めやゲートなど設備が壊れていて損害を与えたケースです。
駐車スペースに自動車を置きっぱなしにされて、スペースが占拠されてしまうことがあります。
月極駐車場の場合、契約していない自動車に無断で停められるのは、よくあるトラブルのひとつです。
「無断駐車を発見した場合には、○○円の罰金を申し受けます」、などと記した看板の設置が、ある程度の抑止力を持ちます。定期的な巡回も、有効な対策です。
土地オーナー側へは良い顔をしても、実際の運営で駐車場を使う利用者への対応が悪い会社は要注意です。
トラブルへの丁寧な対応、オーナーを守る姿勢がある会社を選びましょう!
実際にその会社の駐車場を利用してみたり、現場を見に行ってみると、清掃状態や機器のメンテナンス状態、1台分の駐車スペースの広さや安全性への配慮、近隣への迷惑をかけない工夫をしているかなど、その会社の運営方針が見えてきます。
大切な土地を預ける会社は、あなたの資産運用のパートナーです。
金額だけでなく、対応の誠実さなどの姿勢も基準に、慎重に選びましょう。
当然ではありますが、駐車場近辺で災害が起きた場合は、急に駐車場での収益がゼロになるリスクもあります。
駐車場で災害を受けるとしたら、大地震による液状化現象や地割れ、津波・高潮・集中豪雨・洪水による水没、土砂崩れによる埋没など考えられます。
いずれの場合であっても、ローリスク・ローリターンの駐車場経営なら、保険で備えるほどではないかもしれませんが、運営できなくなるリスクはあります。
ただし、駐車場が運営できなくなるほどの大災害では、大よそ周辺も日常生活できない状況だと予想できますので、仮に駐車場が無事だからといって運営できるというわけでもないでしょう。
幾度となく大災害を経験してきた日本では、災害対策の難しさがよく知られています。
根本的な対策はないとしても、ハザードマップを確認するなどすれば、自分の土地がどのくらいの災害リスクを負っているか知ることは可能です。
基本的には低い土地ほどリスクが高い(特に水害)ので、周辺よりも低いようなら、盛土をして高さを増しておくと、いざという時に役立つかもしれません。
マンションやアパートは、固定資産税評価額や相続税評価額の減免制度があるため、節税対策として有効です。
一方、駐車場経営は固定資産税評価額は安くなりませんし、相続税評価額も舗装することで小規模宅地の評価減を受けられる可能性はあるものの、その減額幅はマンションやアパートと比べると微々たるものです。節税効果を重視する相続対策などには余り向いていないといえるでしょう。
他の土地活用と同様、駐車場経営でも「利用者がお金を払ってくれない…」というリスクはつきもの。
月極駐車場の場合、賃料の滞納に悩むオーナーさんは後を絶ちません。
アパートの家賃を滞納すれば「住む場所」を失いますが、駐車場の場合は「少しくらい大丈夫だろう…」と支払いの意思が欠けてしまいがち。
このような"不良利用者"は契約時にブロックしましょう。
- 1
- 2