非ステロイド系抗炎症剤。プロピオン酸誘導体。
経皮吸収性に優れ、種々の外用剤が開発されている。
ただし、ケトプロフェン外用剤では、光線過敏症をはじめとする皮膚の過敏症の報告が多いため、注意が必要である。
プロスタグランジンの生合成律速酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することにより、プロスタグランジンの生合成を抑制し、抗炎症作用、鎮痛作用を示す。
抗炎症作用、鎮痛作用を有する、プロピオン酸系の酸性非ステロイド性抗炎症薬の1種で、(RS)-2-(3-ベンゾイルフェニル)プロパン酸のことである。
プロピオン酸の誘導体であると同時にベンゾフェノンの誘導体でもあり、このベンゾフェノンの3位の炭素に、プロピオン酸の2位の炭素が結合した構造をしている。ベンゾフェノンは、その構造中にベンゼン環を持つことから紫外線を吸収する。
通常のモーラスパップよりも濃度が高く、貼付回数も1日1枚で良い。「テープ剤の長所を引き継いだパップ剤」といったイメージ。
XRの意味は?
eXtended Releaseの略で「徐放性」の意味。
モーラスパップXRの特徴は?
・皮膚表面温度の低下作用がモーラステープに比べ強い(水分を多く含むため)
・パップにない「関節リウマチにおける関節局所の鎮痛 」に適応がある。(適応はテープと同じ)
・1日1回でOK
・モーラスパップXR120mgの薬価はモーラステープLと同じ
・濃度はモーラステープと同じ
・今までテープで剥がしにくかった人には向いている(毛深い方には向いているかも)
・モーラステープとかぶれの副作用については、比較データはないとのこと(久光製薬さんより)
出典 i1.wp.com
多くの場合は、光線を吸収した薬剤が皮膚組織内の蛋白質と結合して抗原となり、遅延型アレルギーを起こすと考えられる。
薬剤による光過敏症は光毒性と光アレルギーの2つあるが、湿布薬はこの2つが湿布の貼付部位に発症するため、重篤な症状となる場合がある。その原因となる湿布薬の有効成分はケトプロフェンである。
さらに気をつけるべき点は、はがした後でも貼付していた部位が紫外線にさらされると光過敏症を発症するケースもあることだ。最低でも4週間は貼付部位を紫外線から守るように心がけてほしい。
ケトプロフェン外用剤による光線過敏症については,国内症例の集積に伴い平成13年12月に医療用及び一般用の全ての製剤に,紫外線の暴露による全身性の光線過敏症に関する注意喚起が追記された。
過去には日本でも一般用医薬品としても販売されていたものの、光線過敏症が起こるなどの理由で一般用には販売されなくなった。
同じベンゾフェノン誘導体のオキシベンゾンやジオキシベンゾンは日焼け止め防止のための薬品(紫外線吸収剤)として用いられることがある。
フェノフィブラートに過敏症の既往がある患者では、交叉感作性があることから、ケトプロフェン外用剤の使用で過敏症が起こる可能性が高い。
モーラステープ(ケトプロフェン)は脂質異常症治療薬のリピディル(フェノフィブラート)による過敏症の既往がある患者には投与禁忌になっています。
ケトプロフェンとその光分解物が共有するベンゾフェノン骨格が、フェノフィブラートのチオフェンフェニルケトン骨格と似ており、ケトプロフェンとフェノフィブラートの間に交叉感作があるためです。
本剤と交叉感作性を有する成分(チアプロフェン酸,スプロフェン,フェノフィブラート及びオキシベンゾン)に対して過敏症の既往歴のある患者についての注意喚起が「禁忌」の項に追記された。
フェノフィブラートのようなベンゾフェノン骨格を含む薬剤も交差性があるようですね(類似の骨格があるかどうかが重要)。
オキシベンゾン(ベンゾフェノンの誘導体)も該当するようです。紫外線を避ければいいなら日焼け止めを塗ればいいじゃん!ということで、交差性のある製品を併用してしまうと逆効果かもよ?という感じです。
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