抗甲状腺薬と比べますと、即効性があるという利点があります。
何といっても、副作用がほとんどないということが特徴。
抗甲状腺剤には薬効が強いなどの理由からチアマゾールが第一選択薬となることが多いが、甲状腺機能正常化までに1~2ヶ月を要することから、重症の場合にはヨード剤が併用される。
大量(10mg以上)のヨウ素服用により、甲状腺ホルモンの合成や分泌が速やかに抑制される。
バセドウ病の初期に抗甲状腺薬と併用して使われたり、甲状腺クリーゼやバセドウ病の手術前など、急速に甲状腺ホルモンを下げなければならない時等に使われます。
ヨウ素は甲状腺ホルモンの原材料の一つですが、不思議なことにヨウ素を大量に服用すると逆に甲状腺ホルモンの産生がおさえられ、血液中の甲状腺ホルモンの量が減ります。
甲状腺機能に対して二つの方向に作用し、ヨウ素不足、又はそのほかの原因で甲状腺機能の低下したときはに、これを補給すると機能は亢進する。一方、バセドウ病のような甲状腺機能亢進症に対しては逆にこれを抑制する。
バセドウ病などの甲状腺機能亢進症がある場合、甲状腺ホルモンの産生・分泌を抑えるため無機ヨウ素薬(無機ヨード)のヨウ化カリウム丸50mgを6時間ごとに投与します。
ヨード剤は、効果が不十分なことや、途中で効果が落ちる(エスケープする)ことがあるため、抗甲状腺薬のように一般化しない
ヨウ化カリウムを開始してからの早い時期にはエスケープは起こらず、6週を超えたあたりからエスケープする人が出てきます。
甲状腺の腫れが小さく、亢進の程度も軽い人であれば、ヨウ化カリウムでエスケープを起こさずに、3-4割くらいの方がコントロールできると言われています。
軽いバセドウ病や副作用で抗甲状腺薬が使えない症例に対して、数ヶ月~1年以上使用することが多くなりました。エスケープは、思ったより起こりません。
母乳中への移行が認められ,乳児に皮疹や甲状腺機能抑制を起こすことがある。
ヨード剤を服用する場合も授乳を中断させるのが望ましい。ヨード剤は母乳移行性が高く、乳児の甲状腺機能に影響を与える恐れがある。
ヨウ化カリウムすなわちヨードは母乳に移行します。
ヨウ化カリウムを内服しながら授乳する場合は、乳児に影響が出ていないかどうか、乳児の甲状腺機能検査を定期的に行う必要があります。
ヨウ素が母乳中に排泄されるとの知見があること、母乳を介して新生児に移行したヨウ素が乳幼児の発達障害を及ぼす可能性が考えられる。
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