テルミサルタンはほぼ100%の割合で肝臓から胆汁と一緒に排泄されます。そのため、腎臓の機能が悪くなっている患者さんでも使用する事ができます。
ただし、胆汁による排泄は肝臓が関わっているため、肝機能が悪くなっている患者さんでは注意しなければいけません。
CYP代謝を受けず胆汁から100%排泄されるARBがテルミサルタン(商品名:ミカルディス)です。
ミカルディスはほとんどが糞中排泄型であるため、腎機能障害時には比較的安心して使用できる。
ディオバンも一部胆汁排泄である。
ミカルディス錠(成分名:テルミサルタン)は、ほぼ100%が肝臓から胆汁中に排泄される。つまり腎機能が弱っている患者に対して、比較的安心して使えるということだ。
逆に胆汁排泄には肝臓が関与しているので、肝機能が弱っている場合には注意が必要である。
テルミサルタンは、シトクロムP450では代謝されない。主に、UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼによって、グルクロン酸抱合されることが知られている。
脂溶性が高いミカルディスはAT1受容体の疎水ポケットを含めた3点でしっかりと結合するため、AT1受容体遮断活性が強い。
他のARBと異なりAT1受容体に3点で強固に結合する“デルタロック構造1”を有するためARBの中でも強力な降圧効果を有し、さらにその効果が24時間持続するという特徴があります。
テルミサルタンの特異な「デルタロック」構造はアンジオテンシンII 1型受容体へのその最強の結合親和性に関わる
ミカルディスは少し異なりベンズイミダゾール環を持ち、PPARγ活性によるインスリン抵抗性改善作用を併せ持つ。
ミカルディス錠(成分名:テルミサルタン)は、インスリン抵抗性改善作用を持つ。インスリン抵抗性とは、「インスリンの効き目が悪くなっている状態」だ。
テルミサルタンの構造は、糖尿病治療薬でインスリン抵抗性改善作用のあるピオグリタゾンに似ている。
AT1受容体拮抗薬であるテルミサルタンは、PPARγ活性化作用を有することが報告されている。
血管内皮の完全性や機能は内皮前駆細胞(EPC)の影響を受け、その障害にはアンジオテンシンII(AII)が重要な役割を果たしている。
メタボ気味の高血圧患者さんにテルミサルタンが処方された場合はPPARγ活性化作用を期待する目的があると考えられます。
ARBの中でもテルミサルタンとイルベサルタンにはPPARγ活性化作用といって動脈効果を予防したり、脂肪燃焼を促進させる作用があるとされています。
選択的PPARγ活性化作用を有し代謝系に好影響を及ぼすことから、“メタボサルタン”と呼ばれており、メタボリックシンドロームや、そのリスクファクターを有する高血圧患者に対するファーストチョイスと考えています。
テルミサルタンによるヒトアディポネクチン遺伝子転写促進作用はPPAR- γ 非依存性である
ピオグリタゾンとテルミサルタンの両方にアディポネクチン遺伝子転写促進作用があった.しかし,ピオグリタゾンの作用はPPAR-γ依存性であるのに対し,テルミサルタンのそれはPPAR-γ非依存性であった.テルミサルタンはPPAR-γ活性化を導くとしても,PPAR-γ依存性のヒトアディポネクチン転写促進にはつながっていない可能性が考えられる.
20mgから40mgに増量するとCmax・AUCはほぼ2倍だが、40mgから80mgに増量するとCmaxは4倍以上、AUCは3倍弱にまで増加する。
実は、ミカルディス(テルミサルタン)もこのタイプの薬剤に属しています。40mgを超えると非線形ゾーンに入ってきます。ミカルディスに肝代謝(胆汁排泄型)なので、肝障害患者などでは、さらにカーブは急激に上昇します。
ウルソを併用していたりしていたら。。。注意が必要ですね!
非線形非線形薬物とは、投与量と血中濃度が比例しない薬物のこと。分類としては血中濃度急速上昇型と血中濃度頭打ち型の2種類があり、テルミサルタンは血中濃度急速上昇型に分類されます。
フェニトイン型とバルプロ酸型の2種類の非線形パターンに別れます。テルミサルタンはフェニトイン型(血中濃度急上昇型)。
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