増え続ける整形依存症…その闇と改善のコツに迫る

容姿のコンプレックスを改善して、理想の見た目へと変貌させてくれる美容整形。しかし、世の中には、そんな美容整形にどっぷりハマり、異常なほどに施術を繰り返す「整形依存症」に陥る人達が増えています。整形依存症になってしまう人の心の闇、そして克服するための方法について見ていきましょう。

Lodester7 さん

1996 PV

美容整形を繰り返す人達…

近年では、昔よりも手軽にできる美容整形が多くなっていることから、何度も整形を繰り返す「整形依存症」の人達が増えています。

整形はそんなに何回も行うイメージのあるものではありませんよね。

「顔の形を変える」というのは、普通の感覚では人生の一大事。
大半の人にとっては一生経験しない施術と言えるでしょう。

そんな「整形」という重大な施術を、ほぼ毎年のように、ひとによっては何か月に1度という頻度で繰り返すのを見れば、ふつうのひとたちから見ると「整形」という行為に「依存」しているようにも見えてしまいます。

整形依存症に陥った人達の体験談

整形依存になってしまったきっかけはアイドルへの憧れでテレビでアイドルを見てそのあと鏡を見るとへこんでそこから自分の顔が嫌いになった。

初めて整形したのは19歳のときに目の整形を行い、そのあと2回目の整形をしている。

またエスカレートしていったきっかけは母親の顔になりたかったというもので母親も整形していたため、顔が似ていなかったことから寂しさから母親に似ている顔に整形しようと決めて整形を行ったと話す。

私は5年ほど前から整形を始めエラのボトックス注射と言うのを定期的に打っているのですが、打って半年ほど経つと効果が消えてしまい元の顔に戻ってしまいます。

毎回これで最後にしようと思うのですが、元に戻ってしまうと毎日鏡を見る度に憂鬱になり、気になってしまい、半ば強迫性障害の様な形で美容外科に通ってしまいます。

どうしても辞められずにいます。身体に悪影響があるとわかっているのにやめられず大変困っています。

私は今まで二重切開、涙袋形成、エラボトックスの手術をしました。
でもまだまた足りません。
顎と頬骨を削って超小顔にしたいし、鼻ももっと高くしたいし、ザ!整形顔になりたいです。

韓国に江南美人と言われている人達がいるのですが、最終的にはその方たちのような顔になりたいと思っています。
整形したら自分に自信がつくし、整形後は気持ちが安らいで幸せです。

でも家族が、もう止めたら?とか整形依存症とかじゃないの?と言ってきます。

体験談を見ていると、ほとんどの人が初めはプチ整形から始まり、その効果が切れてきたからまた施術をする。
そして、だんだんエスカレートして依存症に陥ってしまうというケースが多いようです。

美容整形に依存してしまう理由は?

何故、美容整形に依存してしまうんでしょうか?
整形依存症になってしまう人の心理を見てみましょう。

・整形した後の快楽が忘れられないから

「美容整形で美しくなった自分を見てうれしい→脳内ドーパミン(快楽物質)が分泌→再び繰り返す」という単純な経路です。
経路は単純でも、一度依存症になるとそこから抜け出すのは至難の業です。

・醜形恐怖症によるもの

醜形恐怖症/身体醜形障害(Body Dysmorphic Disorder :BDD)とは、自分の外見・容姿について、他人にはとくに気にならないわずかな欠点にまで、とらわれてしまう精神疾患です。

ニキビが気になって何度も鏡を見たり、「もう少し目がぱっちりしていたら」「鼻が高かったら」と、自分の容姿に悩んだりしたことは、誰しも経験あると思いますが、その程度でしたら病気ではありません。

BDDは、外見の欠点にとらわれることで、OCDと同じように精神的な苦痛と日常生活への支障がもたされます。

整形依存症に陥るのは、醜形恐怖症が根底にあることが多いです。
幼少期に容姿をからかわれたり、親から愛情を十分に注がれなかったりといった経験が醜形恐怖症の発症に繋がりやすくなります。

整形依存症の人達の末路

バービー人形の恋人「ケン」に憧れて、50回以上も整形を繰り返していたという男性、ロドリゴ・アルベスさんは鼻呼吸ができなくなってしまったという。

医師が

「彼の鼻の状態は私がこれまでに見た術後のケースで
最悪な一つと言っていいでしょう。

鼻の皮膚は傷だらけで内側の組織が破壊されてしまっています。
この状態で再び手術をすると、鼻の皮膚組織は壊死して黒くなり、
その部分がもげ落ちてしまう可能性もあります」

Instagramで61万人以上ものフォロワーがいた人気のインスタモデル「クリスティーナ・マルテッリ」さんは、100回以上もの整形を繰り返したことで、23歳という若さで命を落としてしまいました。

彼女は2017年4月18日、23歳の若さでこの世を去った。原因については現在詳しい情報はわかっておらず、様々な憶測がなされている。心臓発作など、なんらかの発作によるもの、もしくは、それまでに受けた整形手術による後遺症で、リンパ節にこぶのようなものができ、それを除去する手術中に亡くなったのではないかという話もあった。

別の心の病を発症してしまうことも

整形に手を出す人の多くは、美に強い憧れを抱いている人が多く、美容整形に手を出すと憧れが実現し満足します。
ところが脳はその時生じた満足の快楽を、再び求める性質を持つため再び「もっときれいになりたい」という欲が出るのです。


すると「キレイでいるのが当たり前」という心理状態になり、モデルのようなスタイルを意識するようになって急激なダイエットに挑戦。
その結果、食べることを拒否する「摂食障害」を発症させてしまいます。

摂食障害は、おもに間違ったダイエットがきっかけでカラダが飢餓状態におちいり、食欲をコントロールできなくなったり、食事ができなくなってしまう病気で、誤解や偏見が病状を悪化させることも少なくありません。

整形依存症を克服するには

自分を整形依存症かもしれないと思っている人や「美容整形を繰り返すのは止めた方が良いかも。でも、やめられない!」と思っている人は、まずは周囲の意見に耳を傾けてください。

あなたは自分がブスできれいじゃないから、美容整形をしなくてはいけないと思っているかもしれません。でも、周囲から見ると、もう充分にキレイになっているということが多いんです

家族や親友なら、お世辞ではなく本音を言ってくれるはずですから、整形をした方が良いのか相談して、意見を聞いてみましょう。
整形依存症の人は、自分が整形依存症であることを正しく認識すること治療への第一歩になるのです。

認知行動療法を行うことで、症状が軽減することもあります。

この治療法では、患者が自分の外見についてより正確で建設的な考え方ができるように医療従事者が支援します。

また、鏡で自分の姿を確認する、皮膚をつまむなど、典型的な反復行動をやめることも支援します。

治療初期にはお薬を使用することが少なくありません。
主に使われるお薬は「SSRI」と呼ばれる抗うつ剤です。

SSRIはセロトニンという物質を増やす事で、落ち込みや不安を軽減させる作用があります。
醜形恐怖症の根本にあるのは、自分の容姿に対する「不安」であるため、それを和らげるのにSSRIは一定の効果が期待できます。

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