昭和のニュース動画:昭和39年1月「マンモス・トランス輸送作戦」

昭和のニュース動画を調べてみた:[昭和39年1月 三重] 中日ニュース No.523_2 「マンモス・トランス輸送作戦」

FC2KSKY さん

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マンモストランス

名古屋から桑名へ移送される巨大変圧器の話題。動画内で牽引しているのがSLであるのが時代を感じさせます。名古屋から桑名とあるので関西本線を使っての移送でしょう。

動画内より:鉄橋を渡る貨物列車

機関車はSLは動輪の数から「D51」かな?
1両目は窓の数から「ワフ29500形」か「ワフ35000形」
2両目は巨大変圧器を搭載している貨車は「シキ700形」かな?
3両目は「ヨ6000形」かな?

桑名駅から10kmとナレーションにあるので、中部電力西名古屋変電所のことかもしれない。ちなみにこのような大型変圧器が必要になったかというと高度経済成長期の電力需要の高まりと尾鷲火力発電所など大出力を持つ発電所が完成したことなどが挙げられる。

動画内より:日本に一台しかない大型トレーラー

おそらく300t積みトン・シュナーベル式トレーラ。

ナレーションでは運賃は3000万円とある。昭和40年のサラリーマン年収の平均が44万7600円ぐらいなので約67倍。2000年代のサラリーマン年収の平均が480万円とした場合には約3億2000円ぐらい。

マンモストランスの輸送といえば「68の車輪」が有名。こちらは東京電力のケースで昭和40年。三重の方はこの前年に行っていることになる。

最後に動画を調べていた中でのネット上の情報を記載しておきます。

名古屋市営地下鉄完成(昭和32年11月)//操業開始した四日市コンビナート(昭和35年)//37万5000kW級大容量機導入の先駆けとなった尾鷲火力発電所//中部電力初の外資導入によって建設された三重火力発電所//大規模貯水池式井川発電所//275kV尾鷲幹線//275kV名古屋外輪線の拠点、西名古屋変電所//昭和30年代の中央給電司令室//伊勢湾台風復旧作業

動画内が西名古屋変電所であろうと推測される根拠。昭和30年代は大型石油火力発電所が数多く建設され高度経済成長期の電力需要を支えた。

日立製作所では日本通運株式会社のご要求に基き300t積トレーラの製作を行い、重量物運搬に両期肌発展をもたらした。

300t積みトン・シュナーベル式トレーラについての日立製作所の開発経緯や技術的説明など。

変電所向けとしては,三相3巻線変圧器としての記録品である中部電力株式会社西名1キ屋変電所および東名古屋変電所納275kV300MVA変圧器(等価容量350MVA),関西電力株式会社新加古川変
電所納275kV200MVA変圧器(等価容量230MVA)などがあり,さらに引き続き東京電力株式会社東東京変電所納275kV300MVA変圧器(等価容量345MVA),新加古川変電所納増設用275kV200MVA変圧器,四国電力株式会社香川変電所納増設用187kV120MVA変圧器などは製作中である。

高圧三相三巻線変圧器として,わが国のみならず世界屈指の中部電力株式会社西名古屋変電所および東名古屋変電所納275kV,300MVA(等価容量350MVA)変圧器2台がある。これらの変圧器にはこれまで多くの実績のある制振遮へい,巻線強制冷却を採用しており,タンクその他の輸送強度について種々の解析を加え,日立製作所所有のシキ700号特殊貨車(280甘)により,わが国で初めて350MVA級変圧器の国鉄による組立輸送を実現させたものである。

変圧器に関する日立製作所の説明。輸送先が西名古屋変電所と推測される根拠と、貨物車がシキ700であると推測される根拠。

解体中の大型変圧器

ちなみに何故こんな大型の変圧器をそのまま運ばなければならない理由としては電気の変圧の仕組みそのものが原始的でコイルを巻いて作られるためで、これは現在でも変らないようだ。

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