「忙しくてゆっくりスキンケアをしている時間が無い」、「疲れて帰って来た後のスキンケアが億劫」等の悩みを持つ人の味方となるのが、オールインワンジェルです。オールインワンというだけあり、化粧水やクリーム等の効果を1つの化粧品で得ることが出来る優れ物です。今回、オールインワンジェルのメリットや、その仕組み等についてご紹介します。

通常、洗顔後のスキンケアでは、化粧水での保湿をし、次に美容液で肌への栄養を補い、クリームや乳液で肌に水分と栄養を閉じ込めるという流れで、何段階も肌に化粧品をつける必要があります。なかには、化粧水や美容液の吸収をより良くさせるため、化粧水をつける前に導入液を塗るというように、段階が更に多い人もいます。しかし、朝の忙しい時間には、スキンケアの他にも朝食をとったり、化粧をしたり、色々な用事があります。それに子育てで忙しいお母さんも、子どもから目を離せないなかで、スキンケアに時間はかけられません。仕事で疲れて帰宅した後にも、スキンケアは簡単に済ませたくなるものです。

オールインワンジェルなら、肌の水分や栄養補給、保湿等をする成分が1本のなかに含まれていて、なかには更に多くの効能が詰まっている商品もあります。普通ならいくつもの段階が重なり、時間も根気も要るスキンケアが、それ1本で叶うので、オールインワンジェルは忙しい日々をおくる現代の女性にとって救世主といえます。

オールインワンジェルのメリットは、スキンケアの時間短縮が出来ることだけではありません。ます、1本の化粧品だけで済むため、肌に負担がかかりにくいというメリットがあります。普通のスキンケアの場合、化粧水をつける時には、手やコットンにつけて、肌を優しく叩く「パッティング」をする人もいますが、これは確かに肌への化粧水の吸収を促しますが、叩き過ぎると刺激が強過ぎて肌を傷つけてしまうことがあります。

また、その上から乳液等を塗りますが、それも手の摩擦が肌に加わるわけで、段階が多ければ多い程、肌に刺激や摩擦を多く与えてしまい肌には負担になっているのです。しかし、オールインワンジェル1本だけを使うなら、肌につける時の摩擦も最小限で済み、肌を労わることが出来ます。

そして、オールインワンジェルを使うことで得られる経済的メリットもあります。オールインワンジェルなら化粧水や乳液、クリームを買う必要はなく、それ1つで済むので、通常のケアをしている人に比べ、当然お金はかかりません。そして、1種類で済むので、「化粧水のブランドと乳液のブランドを同じにしなければ効果が半減してしまうかもしれない」等という、いくつかの化粧品を使用する場合にありがちな心配をする必要もありません。

このように、沢山のメリットがあるオールインワンジェルですが、どのような仕組みで肌に水分補給や保湿の効果をもたらすのでしょうか。

オールインワンジェルは、「ゲル化」という技術が発達したことにより、普及したといわれています。ゲルとは、個体と液体の中間となる性質のもののことをいいます（食べ物でいうならゼリーや寒天等のようなものです）。ゲルは、高分子が結びついて網目状になり、そこに水分が加わると、その網目に引っ掛かって水分が留まり、ゲル状、つまりゼリーのような状態になるわけです。このような状態に持って行くためには「ゲル化剤」というものを使うことがあります。化粧水や保湿クリームにゲル化剤を加えることで、オールインワンジェルが出来ます。

近年では、ゲル化することにより保湿効果が高まるということが分かっており、オールインワンジェルは保湿力の高い化粧品といえます（もちろん効果には個人差があります）。このゲル化剤のなかには、高分子ポリマーから出来ているものもあり、「高分子ポリマーで皮膚を覆うと皮膚呼吸が出来なくなったり、肌に不要な物や雑菌を食べてくれる皮膚に良い菌のはたらきを弱めてしまったりするので、肌に悪影響」といわれている時代もありました。

高分子ポリマーには隙間があるため、肌をぴったり包んでしまうことはなく、皮膚呼吸が出来なくなることはありません。また高分子ポリマーによって肌に良い菌のはたらきを抑えてしまうという説については、これも皮膚呼吸が出来るのと同じ理由で、隙間があるので菌への大きな影響はありません。また、菌が高分子ポリマーをエサとして食べることもなく、そこからも、影響が起こるとは考えにくくなっています。

因みに、オールインワンジェルの定義は特に無く、美容液や保湿クリームをゲル化させたものが「オールインワンジェル」と呼ばれていることが多いです。では、化粧品メーカーが消費者を騙しているかというと、そうではなく、化粧品メーカーが独自の規定でそう呼んでいるというのが事実です。

オールインワン化粧品だけではなく、乳液や化粧水、美容液についても、定義は同じで特に法律で決められおらず、各メーカーが油溶成分や水溶成分等の配合量の違いによって、その呼び名を決めているのです。

最近では作るメーカーも種類も増えているオールインワンジェルですが、良い商品の選び方についてご説明しましょう。オールインワンジェルを選ぶ時は、まず、自分の肌の悩みを明確にさせましょう。例えば、肌の乾燥や加齢による小じわ等が気になるという方は、より保湿力の高いコラーゲンやセラミド、ヒアルロン酸を多く配合した商品がお勧めです。また、ビタミンC誘導体やレチノール等には肌に弾力を持たせる効果があり、アンチエイジング効果が得られるものなので、これらが含まれる商品を選ぶのも良いでしょう。

しかし、このようなエイジングケアに役立つ成分のなかには、肌への刺激が強いものがあるので、敏感肌に悩んでいるという方の場合は、自分の肌に会わない美容成分や防腐剤の種類を知っておき、商品にそれが含まれていないかチェックしてみてください。このように、オールインワンジェルはその定義もメーカーによって違い、含まれる成分や性質、効能は様々です。その効果や便利さをよりよく実感するために、自分の肌質を知り、肌に合った商品を選ぶようにしましょう。

以下はおすすめのオールインワンジェルベスト3です。是非ご参考まで。