では、退職後にはどのくらいのお金が必要になるのか実際に計算してみます。
一般的な定年退職年齢が60歳、平均寿命を80歳と仮定して考えます。
総務省の家計調査年報(家計収支編)平成28年度によれば、全ての世帯(単身・二人以上世帯合わせて)の家計消費額は1世帯当たり1か月平均242,425円となっており、この消費を20年間続けるとすると、
24万円×12ヶ月×20年間=5,760万円
が平均した退職後の1世帯あたりの平均消費額と考えられます。
単身者の場合にはこれよりは少なくなりますし、夫婦で老後を過ごす場合にはやや高い金額になると考えると良いでしょう。
なので、「一人当たり3000万円くらいが老後に必要となる」と考えておきましょう!
老後の貯蓄っていくら必要やねん。各金額ごとの意見まとめ
いま20代・30代の人がおじいちゃんおばあちゃんになるころには、働く若者が減っていて年金を十分にもらえない可能性がありますよね。
そんな年金もらえないかもしれない世代が考える。老後の貯金について意見をまとめてみました。
退職後20年間生きると想定し、国が出しているデータから計算すると、
おおよそ一人3000万円となるのですね。
国のデータを元に計算しているので、3000万円はリアルな数字と言えるでしょう。
株式会社マネーフォワードが3月14日~19日にかけて行ったアンケート調査を見てみましょう。このアンケートは10~60代の、これから定年・退職後の生活を迎える男女3938人に聞いたものです。それによると、「定年・退職後に必要なおカネはいくらくらいだと思いますか」という問いに対し、男性は5210.6万円、女性は4237.9万円で、全員の平均値は4978.2万円になりました。
これ、なかなか鋭いところを突いています。私の計算では、定年を迎えるまでに最低でも5000万円は作っておきたいところです。それも1人あたりです。ということは、夫婦だと1億円になります。
一人当たり5000万円!
かなり厳しい値段ですね。
こちらは、アンケート結果を元に算出した数字のようです。
作者の考えによると、国が出しているデータだと3000万円になりますが、
家を持っている人だったらリフォームを行う可能性が高い、
晩婚化が進んでいるため、子供の結婚や面倒を見る期間が長い、
親が存命で要介護状態だったら介護の必要がある、
と、さまざまなパターンを考えても、5000万円はあったほうが無難という考えのようです。
まず、65歳まで働く。そして年金を受け取るようになったら、毎月の生活費支出のうち、年金で賄えない赤字を2万円内に抑えます。加えて1年間の特別支出として20万円を別途、用意します。合計で年間44万円。これを65~95歳までの30年間分積み上げると、65歳定年時に準備したい額は1320万円。1000万円を少しオーバーしますが、特別支出分や月の赤字額で調整すれば、1000万円内に収めることも、さほど無理な話ではありません。
”1000万円の貯蓄がなくても暮らせている高齢者はたくさんいる。
貯蓄がなかったら、支出を減らせばよい。 ”
という考えで、1000万円でも問題ないようです。
確かに、生活レベルを上げた老後を過ごしたいと考えると、
貯蓄はいくらあっても足りませんし、
生活レベルを最低限に落としても問題なければ、
貯蓄はそこまで必要ありません。
支出と一緒に考えることが重要というのが、1000万円を支持する人の理由でした。
ざっくりと計算すると、およそ6000万円がゆとりある老後の生活に必要な貯金と言えます。ただここに、老後資金が5000万円必要と言われる理由を考慮すると7000万円程度の老後資金が確保できると安心した”ゆとりある老後の生活”が送れると言えるでしょう。
第1位 3,000万円以上5,000万円未満……24.8%
第2位 7,000万円以上……21.1%
第3位 2,000万円以上3,000万円未満……14.7%
第4位 1,000万円以上1,500万円未満……12.8%
第5位 500万円以上1,000万円未満……9.2%
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