老後資金は毎日の生活費はもちろんのこと、家賃や医療費、住居の維持費などに加えて、冠婚葬祭費や娯楽・趣味のための費用なども当てはまります。もしものときの備えや日々を楽しく豊かに過ごすことを考えると、老後資金は今から貯めておくほうが望ましいといえます。
老後資金はいくら必要?どう貯める?
老後の資金はいくら必要なのか悩んでいる方は多いと思います。
「人生100年」と言われる時代ですので、戦略的な人生設計が求められます。
今回は、老後を安心して過ごすための資産運用方法を紹介します。
「老後資金は貯めておくほうが望ましい」とはいえ、目安が分からなければ効率的に貯めることは難しいといえます。一般的には老後資金の目安は3,000万円だといわれることもありますが、これは年金以外の収入がなくなった際に、年金だけではまかないきれない分を指しています。
老後資金は本人の定年前の給与額や貯金、定年の年齢、寿命などによって変わるため、3,000万円はあくまでも目安だといえます。
世帯主が60歳以上で2人以上の無職世帯の家計収支を見てみると、どの年代でも毎月赤字になっています。多くの人が60歳までに貯めた資産をどんどん取り崩して生活しているわけで、さらに高齢化が進む日本では、7,000万円の老後資金がないと、平均寿命まで資産が保たないともいわれています。
最低限必要な生活費の平均は、月に22万円で、ゆとりある老後の生活費の平均は、月35万円でした。平成14年に保険会社が行った同様の調査でもゆとりある老後の生活費の平均は36万円でしたので、これぐらいの金額があれば豊かな老後と言えるのでしょう。
従来、公的年金はインフレになるともらえる年金も、インフレに伴って増えていくという仕組みでした。
しかし、平成16年の年金改正により、「インフレになっても、もらえる年金はあまり増えない」という制度になりました。その結果として、現在は公的年金だけでも生活できてきた人も将来的にはお金が足りなくなってしまうかもしれません。
もちろん、年金だけでは足りなさそうな人はさらに足りなくなってしまいます。
投資で老後資金を作る場合も、貯蓄と同じく若いうちから始めることが大切です。
投資で利益を得たら、その利益をさらに投資に回して、利益が利益を生む「複利効果」が得られます。複利効果は投資期間が長い方が大きなリターンにつながるため、若いうちから始める方がメリットが大きいのです。
10万円を毎年2%の利回りで運用することができたとすると、20年間の運用では14.5万円ですが、30年間の運用では17.7万円まで増えるのです。
若いうちは投資期間が長く、給与収入も見込めるため、取り返しがつきます。しかし、年齢が上がってくると投資の失敗を取り返す手段が無くなります。年齢を重ねるのに合わせて少しずつ堅実なポートフォリオにするのが良いでしょう。
株式(リスク高)と債券(リスク低)に分散投資する目安として、一般的には年齢と同じ割合を債券に回すと言われています。
つみたてNISAは、一般NISAと違って、「毎月」「2ヵ月に1回」「年2回のボーナスのみ」など、定期かつ継続的方法による積立投資のみです。また非課税で投資できる期間は、つみたてNISAは20年間となっています。投資対象は金融庁の厳しい基準をクリアした135本(2017年12月21日現在)の投資信託・ETFのみとしており、現在販売されている投資信託は約6000本もあることを考えると、投資初心者も選びやすく、ひとつのメリットと言えるでしょう。
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