がん性腫瘍は悪性腫瘍です。つまり、切除しても再増殖や浸潤の可能性があります。また、がん性腫瘍が大きくなるにつれ、一部のがん細胞は遊離して血管やリンパに入り込み、流れに乗ってもとの腫瘍から離れた部位に運ばれます。そして、体内の新たな部位で腫瘍になります。
癌が転移したとはどういうこと?
癌の療養中であっても、癌が転移してしまうことがあります。しかし、癌のことを詳しく知らない方にとって、転移とはどういうことなのかわかりにくいでしょう。医師には聞きづらい方のために、癌転移について解説していきます。
がん細胞は成熟も分化もしません。未分化、つまり、まだ役割が決まっていない状態の細胞は、細胞分裂を繰り返します。
癌が転移するのは、癌が血管内にまで浸潤しており、血液やリンパ液を通って全身に運ばれていくからです。
転移した場合は、原発性の癌だけでなく転移先の癌の治療も進めなければなりません。
癌が広がれば転移しやすくなりますが、薬などを使って転移を防ぐ方法はないのでしょうか?
がん細胞はある程度増えてかたまりになると、そのかたまりからがん細胞がポロポロとはがれてしまうのです。はがれたがん細胞は、血管やリンパ管を通して、体の中の別のところに運ばれます。これが「転移」と呼ばれる現象です。転移したがん細胞は、別のところでまた同じように増え始めます。体内のあちこちにがん細胞が転移してしまうと、治すのが難しくなります。
敵はがんなので、勝ちたいと常に思っているが、今ある武器で何とか、ちょっとでも成績を上げるよう頑張るしかない。
現段階で癌の転移を100%防ぐ治療法は確立されていないようですが、少しずつ研究が進んでいき、癌の親玉となる存在は発見されています。
研究が進んでいけば、将来は転移を防ぐ治療法が見つかるかもしれません。
癌が大きくなって腫瘍となったら、外科手術で取り除く方法があります。
手術療法は、メスでがん組織を切り取ってしまう治療法です。通常はがんの病巣だけを切りとるのではなく、目に見えないがん細胞が移っている(転移といいます)かもしれない周りの正常組織も含めて切除します。
手術は大きくなった腫瘍を取りぞくために役立ちますが、目に見えないがん細胞は残ってしまうリスクがあります。
また、手術が対応できない場合もあるため、医師とよく話し合いましょう。
患部に放射線を照射させ、DNAを破壊して増殖を防ぐための治療です。
最近では放射線治療の適応範囲が以前より広がっています。たとえばI期からII期の子宮頸癌ではガイドライン手術と並列で放射線治療が提示されるようになりました。一定の病期の声門部がんや肛門がんでは機能を温存するために手術よりも放射線治療が優先されます。
治療後にすぐに小さくなることもありますし、形として残っていても増大が止まって、その後ゆっくり小さくなることもあります。反応に乏しく増大する場合もあります。
高精度放射線治療は、病巣を三次元で立体的にとらえ、正常組織への副作用を最小限にとどめながら効率的にがん細胞に照射していくため、副作用が少なく、治療効果が期待できます。
日々研究が行われ、新薬の登場により以前と比べて治療効果が高くなっています。
腫瘍を徹底的にやっつけるために、抗癌剤は数種類組み合わせて使用します。この抗癌剤により、腫瘍を完全に体から消滅させたり、腫瘍が広がるのを抑えたり、腫瘍による症状を軽減したりします。
手術後の抗がん剤治療によって再発率,死亡率が低下します。術後治療では抗がん剤を1種類ではなく,何種類かを同時に使用することで,効果が最大になることが臨床研究で明らかになっています。
抗がん剤治療で使う薬は,飲み薬と点滴に分かれます。点滴による治療では腕などの静脈に注射針を刺して薬を投与します。点滴回数は初期治療の手術前や後の場合には4~30回,遠隔転移の場合にはより長期間にわたり点滴が必要になることがあります。
自由診療の免疫療法という癌の転移を防ぐ方法もあります。
免疫反応を担うリンパ球などを身体の外で活性化して再び身体に戻すもので、「受動免疫療法」と呼ばれます。これは、リンパ球を体内(生家)から一度体外(育ての家)へ出して(養子)活性化して戻すことから、「養子免疫療法」とも呼ばれています。
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