痛風は関節の周りにたまった尿酸を、白血球が「異物」と勘違いして攻撃をしかけ、炎症を起こすことで生じる急性関節炎です。
痛風は食事療法が可能なのか?尿酸を排出する成分について
プリン体を多く摂取するとなるともいわれるのが、痛風です。激しい痛みをもたらす病気として知られています。痛風だと診断された方のなかには、食事の改善で対策したいと考えている方もいるでしょう。痛風は食事療法で改善できるのかまとめました。
暴飲暴食が過ぎて食事由来のプリン体が過剰になると、排泄能力が間に合わず血液や関節液の中に尿酸がどんどんたまり、高尿酸血症の状態、ひいては痛風を引き起こしてしまいます。
体内の尿酸が増えると、血液中に蓄積されることから、プリン体を多く含む食品の摂取は控えましょう。また、プリン体は、水に溶けるので、肉や魚からとったスープ(鶏がらスープなど)にも注意が必要です。
食事からプリン体の摂取が多いということだけでなく、肥満があることが痛風の原因にもなっています。
お菓子やジュースなどの甘いものの取りすぎは、肥満や糖尿病予防の観点から注意が必要です。しかし実は、痛風のリスクとしても十分注意しなければならない要素の1つです。
エネルギーの取りすぎは肥満にもつながります。痛風を発症した人の約60%に肥満が見られます。また、肥満度と尿酸値は比例関係にあり、肥満度が高いほど尿酸値も高くなります。
炭水化物ダイエットでも、尿酸値が上がってしまうケースがあることがわかっています。
これは、炭水化物を制限することで、尿酸を体外へ排出されにくくするケトン体と呼ばれる物質が生成されることが原因です。
痛風のためには炭水化物のとりすぎもよくありませんが、制限し過ぎも逆効果です。
女性の場合は肥満を避けるために過度なダイエットをすることで、痛風になるリスクが指摘されています。
痛風の原因である高尿酸血症は、食事や飲酒などの生活習慣による影響が、2~3割、尿中尿酸排泄低下や尿酸産生過剰などの体質 的な影響が、残り7~8割を占めています。
痛風発作を起こしてない高尿酸血症の場合、血清尿酸値が7台であれば、食事療法にて十分ですし、8台でも食事療法のみでも痛風発作を抑制できる可能性があると思います。
肥満になることも痛風の原因のひとつのため、太りやすい食事を減らす必要があります。
かつて、痛風の治療としての食事療法では、レバーやウニといったプリン体を多く含む食品を避けることが大切といわれていました。しかし現在ではそれほど気にする必要はないという考えが主流です。
最近は肥満の原因となるカロリーの過剰摂取をひかえバランスのよい食事を心がけることが重要といわれています。
エネルギー摂取量は、年齢・性別・身体活動量・肥満度・血糖コントロール・合併症などを考慮し決定されます。一般的には、標準体重を求め、身体活動量に合わせてエネルギー摂取の適量を決定します。
ビールはプリン体が多く含まれており、痛風の方は控えたい食品です。
ビールに含まれるプリン体はアルコール飲料の中では、含有量が多いとされていますが、食品と比較すると非常に少ない量のため、ビールを特別に禁止する必要はありません。
ビールに限ったことではなく、アルコールそのものに尿酸値を上げる作用があります。アルコールはエネルギー物質であるATPを分解し、尿酸の産生を促進します。
アルコールの摂取量が多いほど、痛風の発症リスクが高まるという研究結果も出ている
魚に含まれている成分のことです。
尿酸の排出におすすめの成分ですが、魚は同時にプリン体が含まれているものもあります。
中でも、マグロ・カツオ由来のアンセリンに尿酸値降下作用のあることを突き止めたことは、最近の研究成果の一つです。これまでの機能性食品には見られなかった効果だけに、各方面の注目度が高いわけです。
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