仕掛け人であるプロデューサーのKOBAMETAL

仕掛け人であるプロデューサーのKOBAMETAL

KOBAMETAL氏のヘヴィメタルへの造詣と愛の深さがBABYMETALの人気の要因でもある。

以下、インタビューより抜粋

――そもそもBABYMETALのメンバーはどうやって選ばれたのか。

KOBAMETAL:BABYMETALは、さくら学院の重音部という位置付けだが、企画自体はメインボーカルのSU-METAL(中元すず香)が所属していた「可憐Girls」が09年に解散となった辺りから構想していた。

 SU-METALを中心としてメンバーを探したが、彼女が独特な存在感を持っているので、まったく別のキャラクターを加えるのがいいのではという結論に至った。そこで、SU-METALの周りを天使のような子たちが踊っているのはどうだろうと、YUIMETAL(水野由結)とMOAMETAL(菊地最愛)に参加してもらうことになった。

 BABYMETALはアイドルソングにデスボイスやスクリーモを取り入れた試み、ブレイクダウンパートなどが話題になることが多いが、これらも彼女たちのポテンシャルがなければ成立しない。思い切ったことをしたいと楽曲や演出を考えても、それを体現するメンバーたちの歌唱力や身体能力、3人の絶妙なバランスが欠けていれば、うまくはいかなかっただろう。

――ある意味、アイドルが音楽シーンに変革をもたらす存在であるのかもしれない。その中で、BABYMETALは今後、どういった展開をしようと考えているのか。

KOBAMETAL:軸がぶれないように、このまま突き進むしかない。最初は尖ったことをやっていても、注目が集まると大人の事情で丸くなってしまうことは往々にしてあるが、本格的なメタルサウンドに合わせて3人のメンバーが歌って踊るというBABYMETALの基本的な路線を崩さずに行くべきだと考えている。
 
 BABYMETALがどこまで売れるかは正直なところ未知数だが、既存のアイドルをマーケティングした結果にのっとって展開したところで、二番煎じにしかならない。それならば、いちかばちかという方向性を突き進む方が面白い。メンバーが持っているアイドルとしてのポテンシャル、スタッフの持つメタルへの愛情、それに“ストレンジ感”をプラスしたアイデア……。こういったものから新しいスタイルが生まれ、他には作れない「オンリーワン」の存在になればいいと思っている。