強迫性障害という疾患があります。

「本当に大丈夫だろうか?」という不安に支配されてしまい、それを払拭するために周りから見たら異常とも思える行動を繰り返してしまう病気です。

代表的な症状として、

・鍵がちゃんと閉まっているか不安で何十回も確認する。
・火の元栓がしっかり締まっていたか心配で何度も家に戻る。
・手の汚れが落ちているか不安で、手が真っ赤になるまで何度も洗う。

などがあります。

この病気のつらいところは、 自分でも「やりすぎだ・・・」と十分理解しているのにも関わらず、 それでも不安が勝ってしまってやめられない、というところです。



手が真っ赤になるまで手洗いを続けても雑菌を100%除去することなんてできません。
バカバカしい行為だと、自分でも分かってはいます。でも、やめられない。
これが、どれほど辛い事か、想像できるでしょうか?

強迫性障害は、私たち医療者の間でも手ごわい疾患という認識があります。地道にコツコツと、時間をかけて治すしかないため、患者さんも治療者も、途中で挫折してしまうことが多いのです。

でも、「手ごわい」だけで治らないわけではありません。強迫性障害は治らない疾患だと誤解している方がいますが、とんでもありません。きちんと手順を踏めば、強迫性障害は必ず克服できます。

安心してください。必ず、治す事ができます。



「強迫性障害を克服したい!」 。こう考えている方は、
まずは病院を受診して頂きたいと私たちは考えています。

それは、手ごわい疾患だから自分だけで治せる確率が低いからです。

一人で治すことが不可能とは言いません。
しかし、本人だけでなく、家族、医療者、精神療法、お薬など、たくさんの力を合わせた方が
治せる確率はずっと高まります。

どうせ頑張るなら、成功したいじゃないですか。
成功率が一番高い方法でやるべきだと思うのです。

ここでは、強迫性障害を克服するための基本的なステップを紹介させていただきます。
しかし実際は、文章では伝えきれないこともたくさんありますので、
ぜひ、医療機関の受診も並行して行い、確実に治療して下さい。