「クレディS、顧客の脱税ほう助で有罪認定-26億ドル支払いへ」

5月19日(ブルームバーグ):スイス銀行2位のクレディ・スイス ・グループ傘下の銀行子会社クレディ・スイスは19日、米国人顧客による所得税の脱税をほう助するために共謀した罪で略式起訴され、バージニア州の連邦地裁に出廷した同行代理人が有罪答弁を行った。
クレディ・スイスはまた、米当局による捜査を決着させる司法取引の一環として、罰金26億ドル(約2640億円)の支払いに同意した。同行は4-6月(第2四半期)の利益が、司法取引の影響で16億スイス・フラン(約1820億円)押し下げられるとの見通しを示した
フランスの旧国営銀行であるクレディ・リヨネが2004年に連邦準備制度に対して虚偽の報告を行った罪を認めて以降、国際事業を展開する銀行が米国の法廷で有罪を認定したことはなく、クレディ・スイスは過去10年で初のケースとなる。
同行による有罪答弁はまた、08年の金融危機以後、経済への潜在的な影響を理由に大手銀行の刑事責任追及を回避してきたと批判される米司法省が、より厳しい姿勢に転じたことを示唆するものだ。
ホルダー司法長官はこの日の記者会見で、「その規模や国際的な事業展開の範囲にかかわらず、法の適用を免れる金融機関が存在しないことが今回の事案で示された」と主張。「ある銀行の収益性や市場シェアが訴追や罰金を逃れるための盾になることは今後も決してない。今回の行動は、そうした誤った考えを決定的に打ち消すはずだ」と語った。
クレディ・スイスは内国歳入庁 (IRS)に返還する約6億7000万ドルを含めて米連邦当局に18億ドルを支払う。同行に科される罰金には、ニューヨーク州金融サービス局に支払う7億1500万ドル、連邦準備制度に支払う1億ドルも含まれる。
関係者によると、金融サービス局はクレディ・スイスに対し、一部の行員の解雇と独立機関による監視も求めている。クレディ・スイスと共に他の2つの子会社も同日略式起訴された。

※転載元:ブルームバーグ-2014/05/20