東京株式市場で日経平均は4営業日続落。前日比525円安の大幅下落となり、終値は1
2月17日以来、約3週間ぶりに1万7000円台を下回った。ギリシャの政局を巡る懸
念や原油相場の下落を受けた欧米株安を背景にリスク回避の動きが強まり、東証1部の9
5%の銘柄が下落する全面安の展開となった。

日経平均の下げ幅は昨年2月4日の610円安以来の大きさとなった。前日の米国株
式市場では原油安に加え、ギリシャがユーロ圏から離脱するとの懸念から、ダウ<.DJI>が
330ドル超の大幅下落。外部環境を嫌気し、東京市場では寄り付き後に売りが優勢とな
った。日銀によるETF(上場投資信託)買いなど需給面での期待感が広がるなかで、後
場は前引けの水準から小高く始まったものの、仕掛け的な売りが継続し一段安となった。

今週はオプションSQ(特別清算指数)の算出のほか、米連邦公開市場委員会(FO
MC)議事要旨、米雇用統計などの重要イベントを控えている。市場からは「仕掛け的な
動きが出やすいなかで、原油安で損失を受けた短期筋が日本株売りに動いているようだ」
(国内証券)といった声が出た。東証1部の売買代金は6営業日ぶりに活況の目安となる
2兆円を上回った。

高木証券の勇崎聡・投資情報部長はギリシャの政情不安について「足元のイタリア、
スペイン債利回りを2012年頃の状況と比較してみる限り、ギリシャ問題が周辺国に波
及し危機的状況になるということは、債券市場には織り込まれていない」と指摘。一方で
「前月は原油相場が下げ渋ったことで日米株は戻ったが、年明け以降の原油安については
どの水準で落ち着くかは見通しにくい」とし、引き続き原油相場に株式市場が左右される
傾向が続く可能性があるとの見方を示している。