<株式> ロンドン株式市場は続伸し、主要株価指数は終値で3週間ぶり高値をつけた。米景気見通しの改善を好感し、景気敏感株の銀行、鉱山株が上昇をけん引した。
FT100種総合株価指数<.FTSE>は6.43ポイント(0.10%)高の6659.04で終了し、3月11日以来の高値をつけた。
銀行株指数<.FTNMX8350>は0.7%、鉱山株指数<.FTNMX1770>は1.2%それぞれ値を上げた。
堅調な米経済指標を受けて、米景気の改善期待が相場を支援した。
オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスが発表した3月の全米雇用報告では、民間部門雇用者数が19万1000人増となり、伸びは2月の17万8000人増(上方改定)から加速した。2月の米製造業新規受注も予想を上回る前月比1.6%増と、昨年9月以来5カ月ぶりの大幅な伸びとなった。
半面、保険のレゾリューション<RSL.L>、出版のピアソン<PSON.L>など配当落ち銘柄が売られ、上値を抑えた。
欧州株式市場は続伸。スイス食品大手のネスレ<NESN.VX>とドイツポストDHL<DPWGn.DE>が買われ、上昇を主導した。
FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は7日続伸し、2.44ポイント(0.18%)高の1343.40で終了した。
DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は1.11ポイント(0.03%)高の3187.45。
ネスレは1.5%高。バーンスタインが同社の投資判断を「マーケットパフォーム」から「アウトパフォーム」に引き上げたことが追い風となった。
ドイツポストは4.6%急伸。同社はこの日発表した中期経営目標で、2020年までの営業利益の伸び率が年平均8%以上になるとの見通しを示した。
スレッドニードル・インベストメンツの欧州株責任者、フィリップ・ディケン氏は「今年の欧州株は上々のリターンとなりそうだ。(資金)フローがプラスに転じたほか、成長率は1%以上に達する見込みで、企業利益も10%程度のペースで拡大するだろう」と指摘した。
過去2カ月には、新興国不安やウクライナ懸念が株価を下押ししていたが、市場関係者によると、欧州中央銀行(ECB)が翌3日の理事会で早期の追加緩和実施へ意欲を示せば、新たな株価の押し上げ材料になるとの見方が出ている。
ロイヤル・ロンドン・アセット・マネジメントの欧州株ファンドマネジャー、アンドレア・ウィリアムズ氏は、マイナスの中銀預金金利など、ECBが中小企業の資金調達支援策を講じる可能性があると指摘した。
<ユーロ圏債券> ギリシャ国債利回りが4年ぶりの水準に低下した。債務危機から脱却しつつあるとの期待が追い風となっている。
ギリシャのサマラス首相はロイターに対し、危機の最悪期は脱したとの認識を示し、今後3カ月に新発債の発行を検討していると明らかにした。
またユーロ圏財務相会合(ユーログループ)の議長を務めるオランダのダイセルブルーム財務相は前日、向こう1年のギリシャの必要資金は手当てされており、その後はギリシャが市場に復帰できることを望むとの考えを示している。
こうした支援要因に加え、低金利環境で高利回りを求める投資家の動きが重なり、ギリシャ10年債利回りは一時6.22%と、4年ぶりの水準に低下した。同利回りは危機が深刻化していた2年前には30%を超える水準に達していた。
ただ与党の連立基盤の脆弱さなどを背景に、ギリシャ国債のデフォルト(債務不履行)懸念は根強く、依然として10年債利回りが30年債利回りを上回る状況が続いている。
一方、ドイツ10年債利回りは3.6ベーシスポイント(bp)上昇の1.62%となった。堅調な米民間雇用者数データを受けて、4日発表の3月の米雇用統計が力強い内容となるとの見方が高まり、安全資産としての独連邦債の投資妙味が低下した。