「人間を信じる。平和と核廃絶を信じる」
28日の朝刊を広げると、飛び込んできた深紅の
文字のメッセージ。
創価学会が一般紙に掲載した全面広告だ。
池田大作名誉会長(86)は26日、毎年恒例の「平和提言」を
発表。広告は提言を受け、〈これまでの取り組みを一歩進め、
青年部を中心にグローバルアクションキャンペーンをスタートさせ〉る
旨を伝えたが、 広告掲載の規模は半端じゃない。
いわゆる朝・毎・読・日経の主要全国紙をはじめ、
北は北海道新聞から南は沖縄タイムスまで、
全国津々浦々の地方紙にメッセージを載せた。
「核廃絶」は「脱原発」にも結びつく。実は2年前の平和提言でも、
池田名誉会長は「原発に依存しない
エネルギー政策への転換を早急に検討すべき」と、脱原発に
踏み込んでいた。都知事選で細川―小泉コンビが
脱原発を掲げる中、莫大な広告費を払った全国への「檄文」は
首都決戦と無関係とは思えない。
学会関係者は「細川支援にカジを切った。すぐさま舛添支援を
撤回するわけではないが、そう捉えて構わない」
と、絶対匿名を条件に明かす。
「実は舛添支援は公明党が決めたこと。学会の関与は薄かった。
通常なら大きな選挙の前に公明党と
『連絡協議会』を開き、候補の公認・推薦を決め、組織を
フル動員させます。ところが、今度の都知事選は
猪瀬前知事の辞任で急に日程が決まり、公明党が
公認候補を立てないこともあって、協議会を開催してこなかったのです」
そのため、組織選挙が徹底せず、婦人部は「女性問題」の
多い舛添の支援に反発していた。
「細川支援に転じたのは何といっても、池田名誉会長の意向が大きい。
長く健康不安が伝えられていましたが、
最近は体調が回復。『反戦平和』への原点回帰を目指し、
安倍政権のタカ派路線にブレーキをかけようと意気
込んでいるようです」(前出の学会関係者)
池田名誉会長は平和提言でも「日中韓の首脳会談開催」を呼び掛けた。
反中韓の安倍外交へのアンチテーゼだろう。
東京都の公明党の基礎票は80万票。舛添から細川に票が流れれば、
大逆転も可能となる。(終わり)