安倍首相は近く、みんなの党の渡辺代表と、集団的自衛権や
経済対策など政策の「戦略対話」を行う方針だ。

 首相は施政方針演説で野党と政策協議を行う意向を示しており、
憲法改正など主張が近い日本維新の会とも協議に乗り出したい
考えだ。首相が進める集団的自衛権の憲法解釈の見直しに慎重な
姿勢を続けている公明党をけん制する狙いもあるとみられている。

 首相は24日の施政方針演説で、「政策の実現を目指す『責任野党』
とは柔軟かつ真摯しんしに政策協議を行っていく」と強調した。
その日の夜に渡辺氏に電話をかけ、「政策の戦略的対話をやろう」と
呼びかけている。昨年12月に渡辺氏が首相に対し、重要政策に
ついて定期的に協議する場を設けるよう提案したことに応えたものだ。

 菅官房長官は27日の記者会見で、首相が政策協議を提案した
ことについて「政策ごとに必要なものについては、賛成する野党と
しっかり協議して、国民の期待に応えるという考え方だ」と述べ、
みんなの党以外の野党とも連携していく考えを示した。

 政府がみんなの党などに秋波を送る背景には、集団的自衛権の
憲法解釈の見直しなど「安倍カラー」の強い政策に抵抗感を示す
公明党の存在がある。公明党の井上幹事長は26日のNHK番組で、
政府の有識者会議が今春に集団的自衛権の憲法解釈見直しに
関する報告書をまとめることについて、「それがそのまま政府の方針
として出てくるのではない。まずは自公の間でしっかり協議したい」
と強調した。

 自民党幹部は「『公明党さん、さようなら、みんなの党さん、
こんにちは』とはならない。そんなことをしたら、今まで築いてきた党の基盤
が崩れてしまう」との見通しを示すが、自民党内では
「公明党と連立を組む限り、『安倍カラー』の政策は実現できない」という不満も、
日に日に強まっている。

ソース(読売新聞) http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20140128-OYT1T00236.htm
図表 http://www.yomiuri.co.jp/photo/20140128-382140-1-L.jpg