元航空幕僚長の田母神俊雄氏(65)は、観光客で
ごった返す浅草の仲見世通りを練り歩いた。
インターネット上で若い世代に人気があり、修学旅行中の
高校生から握手攻め。石川県金沢市の高校2年生の男子生徒(17)
は田母神氏が視界に入ると「あれ、タモさんじゃん!」と興奮気味に近寄った。
こうした生徒たちのほとんどは都民ではなく、選挙権もない。
それでも田母神氏は「若い人が寄ってきてくれるのはありがたい」と笑顔。
一方で「ネット世代は投票に行かない傾向がある。
若い人、投票に行きましょう」と呼び掛けた。
東京都知事選(23日告示、2月9日投開票)に出馬する
元航空幕僚長、田母神俊雄氏(65)が選挙戦を左右
しかねない存在として、他陣営から注目されている。
政党の世論調査ではやや苦戦しているが、各種ネット
調査では断トツの人気を誇っているためだ。大躍進もあるのか。
某政党が先週末に行った調査では、田母神氏の支持率は、
舛添要一元厚労相(65)、細川護煕元首相(76)、
元日弁連会長の宇都宮健児氏(65)に次ぐ4位。だが、
保守層を中心に人気は根強い。
「もし私が東京都民だったなら、田母神俊雄氏に投票する」
大ヒット映画「永遠の0」の原作者で、本紙でエッセー「大放言」
(火曜)を連載する作家の百田尚樹氏は18日、自身のツイッターで
こうつぶやいた。百田氏以外にも、田母神氏応援団には、
日本維新の会の石原慎太郎共同代表や、同党の平沼赳夫国会議員団代表、
評論家の西部邁氏、京都大学の中西輝政名誉教授、
作曲家のすぎやまこういち氏、経済評論家の三橋貴明氏、
ジャーナリストの大高未貴氏ら、著名人がズラリと並ぶ。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20140122/plt1401221531003-n1.htm
ネット空間での人気も強みだ。
ラジオNIKKEIのニュース番組「マーケットプレス」のホームページ
(HP)アンケートで「都知事にふさわしいのは誰?」と聞いたところ、
田母神氏が1位。日刊スポーツのHPでも1位は田母神氏、日経新聞の
HPでは舛添氏に次ぐ2位…など、田母神氏が舛添氏の有力な対抗馬として浮上している。
田母神氏支持が広がっているのは、保守本流の姿勢に加え、
航空自衛隊5万人を率いた経験をもとに首都直下大地震などへの
防災対策が充実。さらに、「脱原発」の風潮について「非科学的な
意見、嘘、デマ、捏造が出回っている」として、「原発を安全に使うことは可能」
などと訴えていることも大きそうだ。
舛添氏を推す自民党の都選出国会議員は「自民党のコアな支持層は
田母神氏に流れる。これを食い止めないと、舛添氏は細川氏に
追いつかれかねない」と危機感を募らせる。
一方、細川氏を支援する民主党関係者は「田母神氏が自民党票を奪い、
相対的に舛添氏が減速すれば、接戦に持ち込める」と、田母神氏から目が離せないようだ。