この状況を利用し、元受給者や架空の受給者への支給をでっち上げるなどの方法で端末にでたらめな金額を入力し、庁内のATMから保護費を次々に引き出した。
さらに、経理担当が保護費を渡した証明としてCWを通じて受給者から受け取る領収書について、白紙の領収書を同僚CWらに催促。自ら印鑑を用意するなどして偽造していた。
このような「大胆かつ稚拙(ちせつ)」(市幹部)なやり口にもかかわらず、上司らは決裁をスルーし続けた。偽造された領収書には似たような筆跡が並んでいたにもかかわらず、だ。
市幹部は「誰かが領収書の束を見ていれば●●に気づけた。ずさんなチェック態勢だったと言わざるを得ない」とうなだれた。