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日本で二番目に大きい石油会社である出光興産の創設者である出光佐三は「出光佐三の日本人にかえれ」を出版した。

その要旨を以下に記す。 ソース: http://www.lifehacker.jp/2013/11/131111book_to_read.html



  1.馘首(解雇)がない


  出光では入社した社員を、「子どもが生まれたという心持ちになって」育てることになっているのだそうです。





  子どもは難関にぶつかるとやめたがる。いったんやりかけたことをやめるとは、若木の芽をとめるのと同じで、それでは小さな幹で終わってしまう。やりかけたことは、事のいかんにかかわらず終始一貫やれ、というのが僕の方針だ。(164ページより)


  だから、社員をやめさせることはなかったという考え。出光さんはそれを、「日本人にとっての本当の人間愛」だとしています。


  2.定年制がない


  やめさせないなら、定年制がないのは当然。定年制がなければ社員が老齢化してしまうと考えるのが一般的かもしれませんが、出光さんは「それは外部の資本家の搾取があるからだ」と論じています。





  人間は個人個人によって能力が違うのであり、何歳になると定年だなんていうことは、人間侮辱である。人間が一生真剣に働いて、老後が安定しないというバカなことはない。皆が仲良く、働けるまで働くのが人間社会の理想だ。そしてどこでやめるかは年齢などに関係なく、その人の能力のいかんによって決すべきである。それは自分なり、同僚なりの判断、すなわち人間の判断によって自然と決まることであって、規則や組織によって縛られるべきものではないと僕は思っている。(164ページより)


  「定年とは、まだ働きたい人をやめさせること」、それは高齢化が進む現代社会を先取りした考え方だったといえるのではないでしょうか。(164ページより)




  3.労働組合がない


  馘首がなく、定年制がなければ労働組合も不要。そしてこれは、人間を愛情で育てた結果だと出光さんは言います。「愛情によって育った人間は非常に純情であるから、お互いが人を疑わず信頼の念が強い」からこそ一致団結することができ、それが出光としての強い威力になっているというわけです。(165ページより)




  4.出勤簿がない


  出光さんに言わせれば、出勤簿がないのは「人間を信頼していれば当然のこと」。また自尊心を持っている人ならば、出勤簿に対して、人を侮辱するなと抗議ぐらい申し込むのが本当の姿だとすら主張しています。(165ページより)




  5.給料を公表しない


  「人間を金で見積もるなんてバカにしている。日本人は元来、金で評価されることを一番侮辱されたと感じるものだ」という考え方が根底にあるため、出光の社員は自分の本俸さえ正確に知らない人がほとんどなのだとか。(166ページより)




  6.給料は生活の保障であって労働の切り売りではない


  つまり給料は生活の保証、安定であって、あくまでも労働の切り売り、労働の対価とは見ていない。そして生活が安定するとは、まず住居を与えることだという考え方から、出光は60年間、社員に自分の住居を探させたことはないのだそうです。(166ページより)





  結婚すれば住居を与える、さらに女房の食い扶持、子どもの養育費を出す、そういうことが生活の安定の第一歩だ。(167ページより)




  7.社員が残業代を受け取らない


  戦後、労働基準法が改正されたため残業代を支払うことにしたところ、誰も居残りをしなくなり、自宅に仕事を持ち替えるようになったのだといいます。「『私たちは仕事が残っているからしているだけで、手当をもらうためではありません。私たちの生活は安定しています』と堂々と言う」というわけです。(167ページより)