スーパー、食肉加工、投資ファンド……。さまざまな企業の傘下を渡り歩いてきた居酒屋チェーンが行き着いた先は、仙台地盤の酒販チェーンだった。
酒類専門店チェーンのやまやは11月7日、「はなの舞」などを展開する居酒屋中堅のチムニーに株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。12月5日までを期限とし、1株1510円(11月6日の終値に対して約40%のプレミアム)で買い付ける。
チムニーの筆頭株主である米投資ファンド「カーライル・グループ」との間では、同グループが保有する全株式(所有割合で47.97%)を応募することで合意している。今回のTOBによって、やまやはチムニー株を50.22%保有する筆頭株主に躍り出る。
やまやの山内英靖社長は「物販だけだと競合も厳しい。チムニーのはしごを借りて、外食向けの卸も頑張っていきたい」と、TOBの狙いを語る。チムニーの和泉学社長も「世界から直接輸入しているやまやの力を借りながら、当社の酒を独自化していきたい」と、協調姿勢をアピールする。
だが、チムニーの歴史を振り返ると、簡単に御すことができる会社ではないことがわかる。