前場の東京株式市場で日経平均は反発。取引時間中としては今月23日以来1週間ぶりに節目の1万4500円を回復した。上げ幅は一時200円を超えた。

前日の米国株市場でダウ工業株30種が約1カ月半ぶりに過去最高値を更新したほか、為替も円安に傾くなど外部環境が改善し、主力株中心に買いが入った。

米連邦公開市場委員会(FOMC)が現状の金融緩和を維持するとの見方から、米国では経済指標がさえない中で株価が上昇する「金融相場」の色彩が強くなっている。東京市場でも海外年金から主力株への買いが入っているとの見方が出ていた。グローバル投資家のリスク選好度が高まった結果、株式へ資金流入だけでなく、懸念された円高も進まず日本株の支えになった。

市場では「海外勢の主力株買いに加え、新興株で利益を出した短期資金が東証1部市場にシフトしている。外部環境の改善で安心感が広がっているものの、1万4500円以上の水準では戻り待ちの売りも出やすい。ここから上値を試すには、市場のエネルギー拡大が求められる」(岡三オンライン証券チーフストラテジストの伊藤嘉洋氏)との声が出ていた。

個別銘柄では、JT<2914.T>が買われた。NHKは30日朝のニュースで、JTがたばこの生産態勢を縮小する方針を固めたと報じた。来年度末をめどに人員削減や国内4工場を閉鎖することが明らかになったとしている。合理化による収益力向上を期待する買い入った。半面、ファナック<6954.T>は軟調。29日発表した2014年3月期の連結営業利益予想が前年比20%減の1478億円だったことを嫌気している。

東証1部の騰落数は、値上がり1159銘柄に対し、値下がりが460銘柄、変わらずが135銘柄だった。