10日の東京市場は小じっかりの相場展開が期待される。9日の米国株式相場はまち まちだったが、オバマ大統領が次期米連邦準備制度理事会(FRB)議長にイエレン副 議長を指名したことが下支え。バーナンキ議長下で行われてきた緩和政策を継承する との見方に。また、債務上限問題の交渉について、10日にオバマ大統領が共和党指導 部をホワイトハウスに呼び、会合を持つことが報じられていることも材料視される。 9日の日経平均は寄り付きこそ、100円を超える下げで始まったが、その後はじりじ りと切り返す展開となり、終わってみれば高値引けとなった。もっとも、不動産、そ の他金融など足元で調整をみせていた銘柄を中心に強い値動きが目立つ一方、逆行高 が続いていたソフトバンク<9984>が5%を超える下げになるなど、買い戻しと利益確 定売りといった売買が中心。売買代金についても2兆円を下回っている状況であり、 米財政協議の進展期待による資金流入というよりも、ポジションをニュートラルに戻 し、協議の行方に備えているようだった。 本日についても、日経平均は14000円固めのなか、売り込まれていた銘柄への買い 戻しの流れが中心になりそうだ。その需給状況のなかで、利食いに押されていたソフ トバンク<9984>がリバウンドをみせてくるようだと、日経平均を押し上げる要因にな ろう。そのほか、テーマ銘柄などへの見直しもみられており、一部報道が手掛かりと はいえ、3Dプリンター関連なども久しぶりの物色対象に。また、9日から医療などバ イオ分野の国内最大級の展示会「バイオジャパン2013」が開幕した。カイオム・バイ オサイエンス<4583>など、バイオ関連への手掛かり材料になろう。 (村瀬智一) [株式市場強弱材料] 強気材料 ・NYダウ反発、次期連銀総裁イエレン氏指名を好感 ・シカゴ225先物清算値14090円、大証比20円高 ・東証REIT指数、続伸 ・バルチック海運指数、6日続伸 ・ドル/円、円安進行(97円35-38銭) ・新興市場上場に活気、35社連続で初値が公開価格超え ・工作機械、北米で増産へ ・日銀のETF買い入れに対する思惑 弱気材料 ・米債務上限問題による米国債デフォルトリスク ・ナスダック下落、インテル業績下振れ懸念 ・NY金続落 ・NY原油先物、反落(1バレル=101.61ドル) ・LMEニッケル、下落 ・米半導体SOX指数、下落 ・ユーロ/円、円高進行(131円61-70銭) 留意事項 ・米長期金利、上昇(10年債利回り2.667%) ・長期金利、下落(10年債利回り0.650%) ・欧州株式市場まちまち、イタリア・スペイン株が国債発行を好感で上昇 ・銀行・生損保、みずほ問題受け提携ローン一斉点検 ・都民銀<8339>と八千代銀<8409>、きょう統合発表 ・中国「影の銀行」取引が推計326兆円 ・花王<4452>、カネボウ白斑問題で賠償含め全面支援 ・ノーベル化学賞に米3教授、生命現象をコンピュータ上で再現 ・8月機械受注 ・先週対外対内証券売買(財務省) ・9月日銀貸出・預金動向 ・8月第3次産業活動指数(経産省) ・9月ビール発泡酒出荷数量 ・9月中古車販売台数 ・9月末オフィス空室状況(三鬼) ・9月消費動向調査(内閣府) ・欧州中央銀行(ECB)月報 ・英中央銀行、金融政策発表 ・米先週新規失業保険申請件数 ・米9月財政収支 ・米G20財務相・中央銀行総裁会議 ・中東/石油輸出国機構(OPEC)月報 ・中国/9月総資金調達額・新規人民元建て融資額・外貨準備高・マネーサプライ ・欧州中央銀行(ECB)ドラギ総裁が講演 ・黒田日銀総裁が外交問題評議会(CFR)・ブレトンウッズ委員会で講演 ・NTTドコモ<9437>、冬春モデル新商品・新サービス発表会 [サポート&レジスタンス] 終値 14038 5日移動平均 13993 標準偏差+2σ 14927 25日移動平均 14325 転換線 14283 レジスタンス(2) 14229 レジスタンス(1) 14133 基準線 14113 100日移動平均 13964 ピボット 13943 サポート(1) 13847 先行スパンB 13828 標準偏差−2σ 13723 サポート(2) 13657 先行スパンA 13654 200日移動平均 12994