4日の東京市場は、引き続きこう着感の強い相場展開になりそうだ。3日の米国株式 相場は下落し、NYダウは節目の15000ドルを割り込んだ。ISM非製造業景況感指数が市 場予想を超える低下となり、米景気の先行き不透明感につながった。また、4日発表 予定の米雇用統計の延期が決まるなど、米財政をめぐる政府機関の閉鎖が続いている ことも市場心理を冷やしている。 シカゴ日経225先物は一時13985円と14000円を割り込んでいる。清算値は大証比60 円安の14080円。日経平均はこの流れを受けて売り優勢の展開になろう。また、3日の 東京市場では自動車株の堅調な値動きが目立っていたが、米株安のほか円相場が1ド ル97円前半で推移するなか、反動安が警戒されそうである。 もっとも、今週の日経平均は米財政不安や債務上限問題を背景に調整が強まってお り、足元ではサポートとして意識される25日線、13週線などを割り込んでいる。既に 節目の14000円や26週線(13970円辺り)が意識されていたこともあり、14000円割れ は想定内だろう。そのため、売り一巡後は底堅さが意識されてくる可能性はある。 また、日銀の金融政策決定会合の結果が注目される。黒田日銀総裁は、増税のネガ ティブインパクトを回避させるため追加の緩和策の方向性などを示してくる可能性。 リップサービスとはなるが、消費増税後の景気腰折れへの警戒は相当織り込まれてい るなか、先行きの追加緩和政策への期待が相場を押し上げてくる可能性がある。 物色としてはムードメーカーの役割を持つソフトバンク<9984>に引き続き関心が集 まりやすいだろう。また、米雇用統計の発表延期によって、返って見極めムード自体 はそれ程強まらないため、売られ過ぎ銘柄に対する押し目拾いの流れが期待される。 個人主体による低位材料株も活発だろう。そのほか、米ツイッターは、新規株式公開 (IPO)の申請書類を公開した。11月にもIPOに踏み切るとみられており、関連銘柄へ の手掛かり材料に。 一方、ノーベル賞候補の関連銘柄としてバイオや酸化チタンなどの材料株物色が強 まっているが、来週7日には医学生理学賞、8日は物理学賞、9日は化学賞が予定され ている。より売買が活発となるか、若しくはポジション調整的な流れから資金流出が 強まるのか、値動きは荒くなりそうだ。 (村瀬智一) [株式市場強弱材料] 強気材料 ・米ツイッター、最大10億ドルのIPO申請 ・上場企業、今期営業利益は前期比27%増の見通し ・ユーロ/円、円高一服(132円49-53銭) ・東証REIT指数、反発 弱気材料 ・シカゴ225先物清算値14080円、大証比60円安 ・NYダウ続落、米国債デフォルト懸念を嫌気 ・米半導体SOX指数、続落 ・米9月ISM非製造業総合景況指数、54.4と市場予想を下回る ・欧州株式市場、米財政問題への懸念が重しとなり ・ドル/円、円高進行(97円23-26銭) ・NY金反落、リスク資産からの資金引き揚げが重し 留意事項 ・政府、米に関税撤廃90%超提示 ・日揮<1963>、米で最大エチレン設備受注 ・米労働省、9月雇用統計の発表を延期 ・NY原油先物、反落(1バレル=103.31ドル) ・米長期金利、下落(10年債利回り2.613%) ・長期金利、横ばい(10年債利回り0.640%) ・日銀金融政策決定会合(2日目) ・黒田日銀総裁、記者会見 ・米9月雇用統計 ・独8月生産者物価指数 ・欧州8月生産者物価指数 ・アジア太平洋経済協力会議(APEC)閣僚会議 [サポート&レジスタンス] 終値 14157 5日移動平均 14406 標準偏差+2σ 15108 転換線 14450 レジスタンス(2) 14291 25日移動平均 14243 レジスタンス(1) 14224 ピボット 14153 サポート(1) 14086 サポート(2) 14016 100日移動平均 14006 基準線 14003 先行スパンA 13820 先行スパンB 13752 標準偏差−2σ 13377 200日移動平均 12907