奥村組<1833、株価 - チャート>は3日、地球観測(大阪府吹田市)、マック(千葉県市川市)と、山岳トンネル工事において、トンネルの壁面変位を連続的に自動計測し、リアルタイムに監視できる「移動式坑内変位自動計測システム」を共同開発。滋賀県発注の道路トンネル工事に適用し、実用性を確認したと発表。

NATM工法によるトンネル工事では、地山の安定性や支保の妥当性を確認する際に、トンネルの壁面変位を計測することが一般的で、特に地山が脆(ぜい)弱な場合は、掘削した地山の変位が収束しにくいことから、壁面変位の計測頻度を増やすとともに、異常を即座に把握できる監視体制を確立することが求められている。今回開発されたシステムは、トータルステーション(測量機器)の移設が容易で、計測データの安定した転送を可能し、壁面変位の連続計測とリアルタイム監視を実現した。

同社では、今後、地山が脆弱な山岳トンネル工事に対する地山挙動の連続監視技術として、同システムを展開して行く。また、早期開通が求められるリニア中央新幹線や復興道路などの山岳トンネル工事に対し、急速施工にも寄与する技術として積極的に提案する方針。

3日の終値は、前日比7円高の420円。