ニューヨーク市の中心部にある超高層ビル、エンパイア・ステート・ビルディングなどを保有する不動産投資信託(REIT)のエンパイア・ステート・リアルティ・トラスト(ESRT)<ESRT.N>は1日、新規株式公開(IPO)に際して1株当たり13ドルで7150万株を売り出し、9億2950万ドルの資金を調達したと発表した。
IPO価格は予想レンジだった13─15ドルの下限水準に設定された。同社はエンパイア・ステート・ビルのほかニューヨークとコネティカットの両州で18件の不動産を保有している。
13ドルのIPO価格で同社の時価総額は約32億ドルとなる。調達額は、2006年10月以降のREITによるIPOとしては最大級の規模だ。
ESRTが米証券取引委員会(SEC)に提出した資料によると、同社は当初の年間配当を0.34ドルとする方針。株価が13ドルの場合、配当利回りは約2.6%となる。不動産調査・取引会社グリーン・ストリート・アドバイザーズの推計では、米REITの配当利回りは平均で3.3%となっている。
ESRTがIPOで調達した資金は、引き受け手数料などの経費を差し引くと7億5440万ドルとなる見通し。バンク・オブ・アメリカ<BAC.N>とゴールドマン・サックス<GS.N>がIPOの幹事を務めた。
ESRT株は2日からニューヨーク証券取引所で取引が始まる。