2日の東京市場はこう着感の強い相場展開になりそうである。1日の米国株式相場 は、連邦政府機関の一部閉鎖による目先の影響は限定的との見方から終日堅調推移と なった。米国の落ち着きは安心感にはつながるだろうが、週末の米雇用統計などの指 標発表が見送られる可能性などもあり、買い材料にはなり難い。また、シカゴ日経 225先物清算値は大証比40円安の14470円と弱含みに。 日銀が1日発表した短観9月調査で、地方の景況感の改善が鮮明になった。公共事業 の拡大や好調な住宅需要による押し上げが目立っている。また、安倍首相は、来年4 月に消費税率を8%に引き上げると正式に発表した。その増税のネガティブインパク トを回避させるため、12月上旬に5兆円規模の経済対策をとりまとめる方針を明らか にした。 海外の市場関係者などは、景気の腰折れを避けるための経済対策の実施を概ね評 価。一般的には増税は経済成長にマイナスだが、日本に限っては財政健全化や構造改 革を進める上で重要との見方に。ただし、新たな買い材料にはなりづらいとの見方も され、米財政問題の影響なども見極めたく、株式市場への積極的な資金流入は期待で きないだろう。 物色の流れとしては、個人主体による材料系のテーマ株に向かいやすいだろう。こ のところはノーベル賞候補に関連したバイオ株や酸化チタンなど化学セクターの一角 に短期資金が集中している。超電導や電線地中化といった関連銘柄への物色も目立 つ。米国では米アップルが強い動きをみせていることもあり、アップル関連なども意 識されそうだ。資金回転が速く、ややマネーゲーム的な動きではある。ただ、全体相 場がこう着となれば、自然体で値動きの軽さを求める資金が向かうことになりそう だ。 (村瀬智一) [株式市場強弱材料] 強気材料 ・NYダウ反発、連邦政府閉鎖の影響は限定的 ・米半導体SOX指数、上昇 ・米9月ISM製造業景況指数、56.2と市場予想を上回る ・欧州株式市場、イタリア政局不安の後退で堅調推移 ・ドル/円、円安進行(98円00-02銭) ・ユーロ/円、円安進行(132円53-57銭) 弱気材料 ・シカゴ225先物清算値14470円、大証比40円安 ・米9月新車販売、トヨタ<7203>やホンダ<7267>などが前年実績を下回る ・NY金続落、損失限定の売り巻き込む ・LMEニッケル、下落 ・バルチック海運指数、続落 ・東証REIT指数、反落 留意事項 ・消費増税は来年4月に決定、法人減税へ ・米暫定予算成立せず、債務上限交渉難航 ・イオンREIT、11月後半に上場へ ・大手百貨店5社の9月売上は増収、高額品や衣料堅調 ・NISA口座、初日で300万件超 ・NY原油先物、続落(1バレル=102.04ドル) ・米長期金利、上昇(10年債利回り2.655%) ・長期金利、下落(10年債利回り0.660%) ・9月マネタリーベース ・日銀企業短期経済観測調査(短観9月調査全容) ・8月工作機械受注(確報) ・オーストラリア8月貿易収支 ・米MBA住宅ローン申請指数(先週) ・米9月ADP全米雇用報告 ・米バーナンキFRB議長が講演 ・欧中銀(ECB)政策金利、ドラギ総裁が記者会見 [サポート&レジスタンス] 終値 14485 5日移動平均 14624 標準偏差+2σ 15133 レジスタンス(2) 14704 転換線 14607 レジスタンス(1) 14595 ピボット 14533 サポート(1) 14423 サポート(2) 14362 25日移動平均 14197 100日移動平均 14017 基準線 14003 先行スパンA 13870 先行スパンB 13685 標準偏差−2σ 13261 200日移動平均 12861