<為替> ドルは下げ渋る展開となった。米政府機関の一部閉鎖によって景気回復が抑制されるとの懸念からドルが幅広く売られたが、強めの内容だった米供給管理協会(ISM)の製造業部門景気指数を受けて持ち直した。

安倍首相の消費税増税表明は円売り圧力を強める要因となったが、全般的なドル安基調から円を売る動きは限定的にとどまり、ドル/円は狭いレンジでの取引となった。スイスフランは対ドルで一時0.8989フランをつけたが、終盤はほぼ横ばいの0.9051フラン。

格付け会社フィッチ・レーティングスは、政府機関の一部閉鎖自体は、米国の「AAA」格付けの引き下げ要因にはならないとする声明を発表。ただ連邦債務上限が引き上げられるかどうかをめぐって懸念を表明した。

<債券> 国債価格が下落。米暫定予算の不成立から政府機関が一部閉鎖に追い込まれるなか、底堅い製造業統計や株高などが国債への売りにつながった。

ISMが発表した9月の製造業部門景気指数は56.2と、前月の55.7から上昇し、2011年4月以来ほぼ2年半ぶり高水準となった。内訳では、雇用が55.4で前月の53.3から上昇し、2012年6月以来の高水準となった。

政府機関の一部閉鎖を受け、今月中旬に期限が迫る連邦債務上限の引き上げをめぐる議会の協議も紛糾するのではないかとの懸念が広がるなか、この日行われた4週間物財務省短期証券(Tビル)入札は、最高落札利回りが0.120%と、前年11月以来の高水準となった。

<株式> 反発。議会で暫定予算が成立せず、一部政府機関が閉鎖に追い込まれたが、市場は今のところ閉鎖が短期間にとどまるとみているもようだ。政府機関閉鎖への懸念からこのところ下げ基調だったが、投資家は閉鎖が長期化しない限りこの相場下落は買いの好機とみて、この日は買い優勢に転じた。

<金先物> 急落。米政府機関の閉鎖をめぐる懸念から手じまい売りの動きが強まった。寄り付き直後に一気に30ドルほど急落、損切りの売りを巻き込み安値まで下落し、その後は1290ドルを下回る辺りで下げ渋り、小動きを続けた。

<米原油先物> 続落。暫定予算の不成立による政府機関の一部を閉鎖、連邦債務上限の引き上げの先行きが不透明となる中、米経済・景気への影響が懸念され、原油は売られた。 エネルギー情報局(EIA)の週間在庫統計を翌日に控え、在庫の積み増しが予想されていることも、相場の重しとなったもよう。 市場予想を上回った9月のISM指数に背景に買いも入り、下げ渋った。