<株式>  ロンドン株式市場はほぼ横ばい。金相場の下落や英蘭系日用品大手ユニリーバの軟調な売上高見通しを受け、鉱山株や必需品セクターでは売りが先行した。

取引終盤にかけて金相場が下げ幅を拡大し、産金フレスニロ<FRES.L>は5%急落。

このほか、9月の中国製造業購買担当者指数(PMI)が予想を下回り、内需の低迷を示唆する内容となったことを受け、鉱山株は1.4%下落した。

ユニリーバ<ULVR.L>は3.4%安。同社は前日、新興国市場で事業の鈍化が加速していることを理由に、第3・四半期の売上高予想を下方修正した。

米国では与野党が期限までに暫定予算案で合意できず、一部の政府機関がこの日、閉鎖に追い込まれたが、米国株や欧州の多くの株式市場は上昇。ロンドン株はこれらの市場に対しアンダーパフォームした。

米暫定予算成立の兆しは見られないものの、アナリストは与野党が妥協策を見いだすと楽観しており、10月半ばに期限が迫る債務上限引き上げでも合意するとみている。

GFTマーケッツのアナリスト、ファワド・ラザクザダ氏は「米国市場や金相場の反応を見ると、投資家は米政府機関の閉鎖をそれほど懸念していないようだ」と述べた。

欧州株式市場は反発。ユーロ圏の経済指標が好調だったほか、イタリア政局の混乱が収束に向かうとの期待が高まった。

ただ、米政府機関の一部閉鎖による影響をめぐる不透明感から、上値は限定的となった。

FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は8.83ポイント(0.71%)高の1255.97。

DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は39.87ポイント(1.38%)高の2933.02。

イタリアではFTSE・MIB指数<.FTMIB>が3.1%上昇。ベルルスコーニ元首相率いる中道右派政党・自由国民党(PDL)の幹部が、2日の信任投票でPDLはレッタ政権を支持すべきとの立場を示したことで安心感が広がった。

イタリア国債を多数保有するインテサ・サンパオロ<ISP.MI>やウニクレディト<CRDI.MI>が買われ、ともに5.7%急伸。南欧諸国の国債価格上昇を好感し、ユーロ圏銀行株<.SX7E>は2.8%高となった。スペイン市場<.IBEX>は1.7%高。

9月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値が3カ月連続で節目の50を上回り、販売価格に関するサブ指数が2012年半ば以来約1年ぶりに50を上回ったことも相場を支援した。

BNPパリバ・フォルティス・グローバル・マーケッツのリサーチ部門責任者Philippe Gijsels氏は、米国の予算・債務問題をめぐる不透明感によって短期的に混乱が生じる可能性があるものの、マクロ経済見通しは引き続き明るいと指摘。世界経済が上向き、大量のマネーが投資機会をうかがう中、株高に向けた長期的なファンダメンタルズに変わりはないと述べた。

<ユーロ圏債券>  イタリア国債価格が上昇。レッタ政権が今後の信任投票で十分な支持を得られるとの楽観的見方が広がり、相場の支えとなった。

レッタ首相は翌2日にも信任投票の実施を求める構え。

ベルルスコーニ元伊首相率いる中道右派政党・自由国民党(PDL)のカルロ・ジョバナルディ上院議員はこの日、同党に所属する大半の議員はレッタ首相が求めている政府信任投票で支持票を投じたいと考えていると述べた。

イタリア10年国債利回りは14ベーシスポイント(bp)低下し4.44%。独連邦債との利回り格差は前日の300bp超から272bpに縮小した。

メリオン・ストックブローカーズ(ダブリン)の首席エコノミスト、アラン・マケイド氏は「イタリアに対する楽観的な見方がわずかながら増している」とした上で、政権が維持されれば、イタリア国債が短期的にアウトパフォームしても不思議ではないと述べた。

スペイン10年国債利回りは13bp低下し4.18%。3日に最大35億ユーロの国債入札が予定されているが、今のところ入札前の売り圧力は見られていない。

ポルトガル10年国債利回りやギリシャ10年国債利回りも約20bp低下した。市場関係者やアナリストによると、欧州中央銀行(ECB)が追加の長期資金供給オペを実施するとの観測が、高利回り債の追い風となった。

アイルランド国債管理庁はこの日、十分な手元資金を確保しているため、年内の追加国債発行は行わない決定をしたと明らかにした。相場への影響は限定的だった。

独連邦債先物は24ティック安の140.26。