前場の東京株式市場で日経平均は反発し1万4600円を回復した。朝方発表の9月日銀短観で大企業・製造業DIが市場予想を上回ったことを好感したほか、米議会が暫定予算の成立で妥協するとの見方が広がり政府機関閉鎖の懸念が後退した。

為替が円安に振れたこともあり、前引けにかけて先物主導で上げ幅が拡大した。

ロイターは1日、米共和党で保守派のトーマス・マッシー下院議員が30日夜、下院共和党指導部は最終的には妥協し、医療保険改革法(オバマケア)変更やその他条件を盛り込まない暫定予算案を提出する、との見通しを示したと報じた。米財政協議のヤマ場は債務上限問題であり不透明感は続くものの、ひとまず緊迫感が和らいだ。

日経平均は前日に300円以上下落しており、リバウンドを狙う買いも入ったとみられる。目先の焦点は今夕発表される経済対策。市場では「消費増税と経済対策については国内で既成事実化しており、海外勢がどう評価するかだろう。材料出尽くしとなる可能性も否定できない」(岡三オンライン証券チーフストラテジストの伊藤嘉洋氏)との声が出ていた。

個別銘柄では、日本精工<6471.T>が反発。30日に発表した業績と配当予想の上方修正を好感した。国内、海外ともに自動車向けを中心に需要が回復基調だという。半面、東邦チタニウム<5727.T>は3日続落。2014年3月期の赤字幅が従来予想より拡大する見通しとなったほか、無配転落予想を30日に発表し嫌気された。

東証1部の騰落数は、値上がり979銘柄に対し、値下がりが620銘柄、変わらずが146銘柄だった。

日経平均<.N225>

前場終値 14627.66 +171.86

寄り付き 14517.98

安値/高値 14487.23─14642.97

東証出来高(万株) 146329

東証売買代金(億円) 9288.76