<為替> ドルが幅広い通貨に対して下落し、対スイスフランでは7カ月半ぶり安値をつけた。米政府機関が閉鎖に追い込まれる可能性が高まっていることや、米連邦準備理事会(FRB)の緩和縮小の見通しが不透明となっていることが重しとなった。

米議会ではこの日、新会計年度が始まる10月1日から11月15日までの資金を手当てする暫定予算案が上院で可決された。ただ、下院共和党は医療保険改革法(オバマケア)向け予算打ち切りなどを予算手当ての条件とする構えで、政府機関の閉鎖を回避できるかは不透明な状況だ。

FRBの量的緩和縮小の行方にも注目が集まる。年内は10月と12月に連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されているが、米経済が確固とした回復軌道に乗るよう、緩和縮小は来年初めまで見送られるとの観測も一部で出ている。

ドル/スイスフランは0.5%安の0.9058スイスフラン。一時は0.9018スイスフランまで下げ、2月上旬以来の安値をつけた。

<債券> 米国債価格が上昇。米政府機関閉鎖をめぐる懸念で米国債への逃避買いが膨らんだ。10月1日以降、政府機関が閉鎖されることになれば、4日の雇用統計を含む一部の主要経済指標の発表が遅れる可能性がある。

また、10月半ばまでに債務上限が引き上げられなければ、米国は前代未聞の債務不履行(デフォルト)に陥る可能性がある。ルー財務長官によると、連邦政府の借り入れ手段は10月17日までに尽きる見込みで、手元資金はわずか300億ドル程度になる。

27日のマークイットのデータでは、米5年債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のスプレッドが約32ベーシスポイント(bp)と、前日の31bpから拡大し5月以来の高水準となった。前週時点では22bpだった。

<株式> 反落。米財政協議の行方をめぐる不透明感が相場の重しとなった。週間では、S&P500が1.1%安。米連邦準備理事会(FRB)が緩和縮小見送りを発表した18日につけた最高値から2%近く値下がりした。ダウ平均は1.3%安、ナスダックは0.2%高。

百貨店のJCペニー<●●P.N>が急落し13.1%安。この日、新株発行によって最大9億3200万ドルを調達する見通しだと発表した。新株は1株当たり9.65ドルで8400万株発行される予定。JCペニーの発行済株式総数は、主幹事にオプションとして付与される1260万株の追加購入枠を除き、38%増加する見通しで、年末の手元資金は22億ドルになるという。

一方、スポーツ用品大手ナイキ<NKE.N>は4.7%高。前日発表した6─8月期決算は、利益が前年同期の5億6700万ドル(1株当たり0.63ドル)から7億8000万ドル(0.86ドル)に増加し、1株利益はトムソン・ロイター・エスティメーツがまとめたアナリスト予想平均の0.78ドルを上回った。

<金先物> 米財政問題をめぐる懸念から安全資産として買われ、反発した。中心限月12月物は前日終値比15.10ドル(1.14%)高の1オンス=1339.20ドルと、終値ベースで19日(1369.30ドル)以来約1週間ぶりの高値で取引を終了。電子取引のレンジは、1320.00─1345.20ドルだった。

<米原油先物> 米財政問題の先行き不安に圧迫され、反落した。米国産標準油種WTIの中心限月11月物は前日終値比0.16ドル安の1バレル=102.87ドルで終了。12月物は同0.18ドル安の102.34ドルで引けた。