米著名ヘッジファンドマネージャー、ジョン・ポールソン氏の運用会社ポールソン&カンパニーは24日、プエルトリコの「セントレジスバイーアビーチリゾート」と「ビーチリゾート&ゴルフクラブ」の株式を取得したと発表した。一時は同国への移住も噂された同氏だが、ある種の富裕層ビジネスに乗り出した形になる。
「セントレジス―」は、プエルトリコ島の北東部に最大の港湾都市サンファンから車で約25分離れた場所に、483エーカーという広大なビーチリゾートを持つ。また、オーシャンフロントには名門ホテルのセントレジス、コンドミニアム、ゴルフコースなどもある。
同地には2007年から100億円以上の規模でジョイントベンチャーによる開発が進み、2010年から「セントレジス―」がオープンしている。ポールソン氏は「『セントレジス―』はすでに、カリブ海では有数のリゾート地になっている。今後もホリデイ用の住居としての需要が多いにあるだろう」と述べている。
ポールソン氏は一部の報道で、NYから拠点をプエルトリコに移すとされたが、即座に否定の声明文を出している。
プエルトリコは連邦税はないものの、失業率も高く財政事情も良くはない。2009年には知事が破綻宣言をしたほど。キャピタルゲイン課税は0%に改正され、法人税4%だけになる。富裕層の呼び込みに力を入れ始めており、現に米国の富裕層が検討する候補地の一つになっている。
ポールソン氏自身は生粋のニューヨーカーでもあり、プエルトリコへの移住はないだろうが、今後は移住を検討する富裕層の増加を見越しての資本参加ということになるのだろう。