午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場午後5時時点に比べて小幅にドル高/円安の99円ちょうど付近。日経平均株価<.N225>が一時プラス圏に転じると円安に振れた。ただ、円売りは勢いづかず、ドル/円の上値は限られた。
<勢いなき円安>
後場の東京株式市場では日経平均株価が下げ渋り、大引けにかけてプラス圏に浮上する場面があった。下げ幅縮小当初のドル/円の反応は鈍かったが、プラス圏に転じるあたりから主要通貨に対して円安に振れた。ドル/円は99円回復をうかがう展開となり、ユーロ/円は133円後半に上昇した。
ただ、積極的に円が売られたわけではなかった。円安に傾いた時間帯は欧州勢の参入が本格化する時間帯だが「円売りのフローが特に出ている雰囲気はない」(邦銀)との声が出ていた。
午後3時にかけてやや円売りが進んだとはいえ、この日の東京市場はドル/円を手掛けにくいムードに覆われていた。ドル/円は98円後半で停滞した。
大手邦銀の関係者は、消費増税の行方や増税の場合にセットで打ち出される経済対策パッケージへの期待という日本側の円安要因と緩和縮小見送りで米金利に低下圧力がかかりやすいという米国サイドのドル安要因の狭間でドル/円は「動きにくくなっている」と指摘した。きょうは実需筋の売買は交錯し、国内投資家からは大きなフローは出ていなかったとされている。
海外の投資家やヘッジファンドは、前週ドル/円が99円台に上昇したときには「今度こそ、という期待を持っていたのかもしれないが、追加の材料や買いがないので動きづらくなっている」(同関係者)という。