[東京 19日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は19日、都内で開かれた証券大会であいさつし、日本経済はデフレ脱却の糸口をつかみつつあると指摘し、日本経済が力強い成長を取り戻すには銀行のみならず家計によるリスクマネー供給も重要との期待を表明した。
黒田総裁は「15年にわたるデフレからの脱却の道のりは、平坦ではない」が、「日本経済は、着実にその糸口をつかみつつある」とし、証券業界や資本市場の役割に期待を表明した。
総裁は、日本の家計の安全資産志向が、デフレマインドの定着と「にわとりと卵のような関係にある」と指摘。今後は家計が「リスクマネーの供給主体として重要な役割を担っていくことが望まれる」と述べた。
景気・物価の現状について、日銀が4月に開始した異次元緩和の「政策効果はしっかり現れてきており、金融市場や実体経済・物価には、前向きの動きが広がりつつある」と述べた。
7月にプラス0.7%となった消費者物価指数について、「エネルギー関連が押し上げに寄与しているのは確かだが、幅広い品目に改善の動きがみられる」とし、「予想物価上昇率も全体として上昇している」との見方を示した。