「澄上人」とは誰か:日本天台宗の開祖である伝教大師・最澄(767–822)のことです。
制作の経緯:弘仁13年(822年)6月4日、最澄は56歳で入寂(死去)しました。深く最澄を崇敬していた嵯峨天皇はその死を悼み、自ら五言排律(12句60字)の詩を詠んで贈られました。これが『哭澄上人詩』です。
能書家としての嵯峨天皇:嵯峨天皇は空海・橘逸勢とともに平安初期の「三筆」に数えられる書の達人です。この『哭澄上人詩』の書風は、草書体を交えた気品あふれるもので、空海の影響(大師風)がうかがえる逸品として知られています。