**米国で最近話題の「爆発するような下痢」を引き起こす寄生虫は、主に *Cyclospora cayetanensis*(サイクロスポーラ・カエタネンシス)による**サイクロスポーラ症(cyclosporiasis)**です。**
これはウイルス(例: ノロウイルス)ではなく、**微小な原虫寄生虫**で、便で汚染された食品や水を介して感染します。人から人への直接感染はほとんどありません。
### 現在の流行状況(2026年時点)
- **CDC(米国疾病対策センター)の報告**によると、2026年5月1日〜6月16日までに、**米国国内で感染した145件**が報告されています(17州)。入院20人、死亡者0人。
- 最多は**ニューヨーク州**(31〜80件)。イリノイ州やテキサス州などでも複数件報告。他の州も1〜10件程度。
- 患者の年齢は5〜86歳(中央値42歳)。海外旅行歴のない人がほとんどで、**国内の食品(特に輸入生鮮野菜・果物)**が原因とみられています。特定食品の特定は調査中。
- 例年、**5〜8月が「サイクロスポーラ症シーズン」**で、夏にピークを迎えます。2025年は1,000件以上報告された年もありました。
過去にはパセリ、ベリー類、バジル、コリアンダー、レタス、スナップエンドウなどの輸入産品が原因となった集団発生が複数あります。
### 症状
- **主症状**: 水様性下痢(頻回で**爆発的・激しいもの**)。潜伏期間は通常1週間程度(数日〜2週間)。
- その他: 食欲不振、体重減少、腹痛・腹部膨満・ガス、吐き気、疲労、低熱、筋肉痛など。
- 症状は数日〜1ヶ月以上続き、再発することもあります。免疫正常者でも脱水症状が問題になりやすく、免疫不全者では重症化しやすいです。
無症状の場合もありますが、下痢が長引くのが特徴です。
### 感染経路とリスク
- **主な感染源**: 糞便で汚染された水や食品(特に生で食べる野菜・果物)。発展途上国で一般的ですが、米国では輸入品経由で発生。
- プールや未処理水、衛生状態の悪い地域での暴露もリスク。
- 米国では毎年数百〜数千件報告され、食品媒介が主。
### 診断・治療
- **診断**: 便検査(特殊検査が必要で、複数回提出する場合あり)。通常の細菌検査では見逃されやすい。
- **治療**: 抗生物質(主にトリメトプリム/スルファメトキサゾール = TMP/SMX)。アレルギー時は代替薬。対症療法として水分補給・下痢止めが重要。自然治癒する場合もありますが、早期治療で回復が早まります。
- 重症・持続時は医療機関受診を。脱水に注意。
### 予防策
- **生鮮食品**: よく洗う(または皮をむく)。輸入品に特に注意。
- **水**: 未処理水を避ける。
- **衛生**: 調理前後の手洗い徹底。
- 旅行時は生水・生野菜に注意。
この件は**CDCや州保健局が積極的に監視・調査中**で、食品由来の集団発生として扱われています。ノロウイルスなどのウイルス性胃腸炎(冬に多い)と混同されやすいですが、寄生虫特有の長引く症状がポイントです。症状が出たら早めに医師に相談し、「サイクロスポーラ症の可能性」を伝えると検査がスムーズです。
最新情報は**CDC公式サイト**(cyclosporiasis surveillanceページ)で確認してください。状況は変動するので、注意を。