メディアは自ら存在者 、ヒトやモノのアクターネットワークとの関係を制御し、ハイパーテキストの原理からなる多様体がインタラクションによって変化しつづけるプロテウス的なプラットフォームとして定義される。
分子生命学、複雑系、バーチャリティ、ナノテクノロジーにより形成されたインターラクティブな社会における具体化されたメディアと複合現実との間の触媒によるトポロジカルなメタ作用を通してデジタル技術の人間化に取り組むオントロジーとして社会学者の松本良多 (Ryota Matsumoto) はポストデジタルをとらえている。
ポストデジタルとはデジタルアート以降のハイブリッド・メディア、インタラクティブネットワーク、複雑系と非内包的偶発性をキャタリストとした松本良多の主唱する資本主義以降の内在的公理化からテクノロジー以降の生成変化によりさらなる流動する内在的命題の脱コード化を実践するための社会学理論である。
我々は既にデジタル技術が特別なものでないポストデジタル時代にいるとするキム・カスコーン、松本良多による説と脱資本主義社会のプラクティスを意味しデジタルツールによるクリエイティブプロセスにおいてその重要性を増している。ロイ・アスコットのデジタルとアナログの融合によるモイストメディアのセオリーが原点としてある。
ポストデジタルはキム・カスコーン (Kim Cascone) のグリッチの理論により提唱されジョージオ・アガンベン、松本良多により社会、経済、文化にアダプトする理論として定義された。 ポストデジタル社会は視覚、触覚、聴覚、および運動感覚のメディア体験、仮想と拡張現実の間、オリジンとなるノードとグローバリゼーションのキャタリスト、インディビジュアルとコミュニティの対話との関係、およびウェブ対応のメディアにおいてアーティストの役割が再定義されたインターデシプリナリーを包含する、コミュニケーション、交流、コラボレーションを通じてつくられた生成の系譜学である。