■魚介類

人間と同様で、例えば、フグには神経症状を引き起こす毒性がありますし、少し古くなった魚では食中毒を起こす可能性もあります。

しかし魚には良質なたんぱく質とビタミン・ミネラルが豊富に含まれているので、犬の健康にとっても良いと考えられています。それでは、犬に魚を与える時には、どのような点に気をつければよいのでしょうか。基本的には、人間が生のまま食べても大丈夫なように処理されている刺身用の魚は、犬にも生で与えて問題ありません。しかも生魚には、加熱すると壊れてしまう栄養素を摂取できるというメリットもあります。しかし、注意したいのは寄生虫です。心配な場合は、念のため加熱してから与えた方がよいでしょう。

では、焼き魚や干物はどうでしょうか。人間用に味付けされたものは、犬にとって塩分が強すぎるので、味がついているものは与えない方がよいでしょう。与えすぎると、高血圧のリスクが高くなってしまいます。
犬にとっても重要な栄養素が含まれている魚ですが、過剰摂取させると黄色脂肪症という病気になることがあります。この病気は、魚に含まれるDHAやEPAなどに代表される「多価不飽和脂肪酸」と呼ばれる栄養素の過剰摂取により、体内のビタミンEが不足してしまうことが原因で起こります。
症状として、発熱、食欲の低下、全身の痛み、お腹や足の付け根の脂肪の硬化などが挙げられます。この黄色脂肪症は、魚が主食だった猫に多い病気でしたが、キャットフードが普及したことで最近はあまりみられなくなりました。
このように、魚は犬が食べてもよい食品です。与え方を間違わずに健康状態の向上に役立てましょう。ただし、与えすぎにはくれぐれも注意してください。