猫がひっかく理由と聞くと怒った時を想像する方も多いでしょう。しかし、怒ったからといって全ての猫がひっかく訳ではありません。猫は爪を出し入れできるため、通常であれば爪をしまったまま、手で攻撃する猫パンチだけになります。
しかし、あえて爪をしまわずにひっかくとなるとそこには怒っている意外にも様々な理由が隠れています。また怒るようなことは何一つしていないはずなのにひっかくという場合もやはり納得できる理由が隠れています。まずは、猫がひっかく理由についてみて行きましょう。

■興奮した
いつもはひっかかないのに、フトしたタイミングや何かいつもと違うことが起きたタイミングでひっかくという場合は、何かの原因によって興奮をしたため思わずひっかいてしまった可能性があります。
特に恐怖を感じた時は攻撃態勢に入ってしまうため、爪を出してその対象物にアクションを起こそうとします。そんな興奮状態に陥っている猫ちゃんを落ち着かせようとして伸ばされた飼い主様の手をひっかいてしまうというのはよくあることです。
また、恐怖を感じている時以外にも喧嘩をしている場合や、猫同士でじゃれあって遊んでいる場合でも、我を忘れている状態で手を出されたことにより思わずひっかいてしまうことがあるようです。
猫は神経質で臆病な性格をしていますから、大きな物音や知らない人が自分の縄張りに侵入してきたなどにより大変興奮してしまいますので、十分に気をつけるようにしましょう。

■遊んでいる・狩猟衝動によるもの
猫が爪を出すタイミングは、「獲物を仕留める時」「ご飯を食べている時」「爪とぎをしている時」「攻撃をする時」です。このタイミングで飼い主様に触られたことで思わずひっかいてしまうこともあります。
特に遊んでいる時はあまりにも興奮をして猫じゃらしなどのおもちゃに爪を立てて擬似狩猟気分を堪能しています。そのタイミングで飼い主様の手が目に入ってしまったら、思わず爪を立てて飛びつきたくなったのかもしれませんね。
また、遊んでいる時におもちゃではなく間違えて飼い主様の足や手に噛み付いたりひっかいたりしてしまう、少々おっちょこちょいな猫ちゃんもいます。
遊んでいる最中は猫もハンティングモードに入っていて我を忘れていることも多いですから、ひっかかれないように十分気をつけてくださいね。

■縄張り意識があるため
猫が来客をひっかくという場合は、縄張り意識が強いために起こる行動だと言えます。猫はそもそも縄張り意識が強い動物ですから、自分の縄張りである家に知らない人が入ってくると大変警戒をします。
多くの猫は警戒をして物陰に隠れたり、自分の寝床で息をひそめる事でやり過ごすのですが、稀に好戦的な性格の猫も存在しています。そのような猫は訪問者に対して威嚇をするだけではなく、何もされていないのにも関わらずひっかくなどの攻撃を仕掛けて縄張りから侵入者を追い出そうとする子も。
また、警戒して隠れているのにも関わらず無理矢理引っ張り出そうとしたり、訪問客が隠れている場所に手を入れて撫でようとするのもひっかく原因となります。猫はストレスに弱い繊細な動物です。
いつまでも健康で長生きをしてもらいたいと思うのであれば、知らない人に恐怖を覚えて隠れている愛猫を無理矢理引っ張り出したり、不用意に撫でないようにしてあげましょう。
知らない顔をしていたら、自分から出てきて撫でてとおねだりをしたり、のんびりとくつろぐような行動を見せてくれます。ぜひ、猫のペースに合わせてのんびりと距離を詰めるようにしてくださいね。

■構ってもらいたい
猫の中には飼い主様をひっかけば構ってもらえると間違った認識をしている猫もいます。特に社会性を学ぶべき幼少期に母猫や兄弟猫と離れ離れになってしまった子猫は、コミュニケーションの取り方や爪をしまって遊んだり、力加減をして噛む甘噛みの方法を知りません。
そのやり方を誰も教えてくれなかったからです。通常であれば兄弟猫とじゃれあって遊ぶことで学ぶのですが兄弟猫や母猫がいなければ、学ぶタイミングもありませんので仕方がないですね。
その結果、飼い主様に構って欲しい時や遊んで欲しい時に爪を出してひっかく行為や、力いっぱい噛む行為をするのです。実際にひっかかれたり、噛まれたりすると痛さのあまり猫を叱ったり、何かあるのかなと注目をしたりしますのでひっかくことで構ってもらえたという事実も生まれてしまいます。
正しいコミュニケーション方法を知らない猫にとって、飼い主様をひっかくというのは自分の要望を通すツールとなっているのかもしれませんよ。