オウムは現在も確かに息づいている。教団は地下鉄サリン事件での強制捜査後に、宗教法人格を失ったものの、活動は継続。服役していた上祐史浩氏が出所し、代表に就いた直後の00 年からは「アレフ」と名乗った。
アレフでは、麻原信仰を維持する主流派と、表向き「麻原信仰」を捨て社会融和路線を唱える上祐派が対立。07年に上祐派が独立し「ひかりの輪」を設立した。
さらに、15年頃にアレフから小規模な分派も生まれている。公安調査庁が「山田らの集団」と呼ぶ集団だ。
5年頃にアレフから小規模な分派も生まれている。公安調査庁が「山田らの集団」と呼ぶ集団だ。
各団体は団体規制法に基づく観察処分の対象として、現在も立ち入り調査などが行われ、公安調査庁の監視下にある。同庁は「内外情勢の回顧と展望」(令和2年1月)で、
〈教団の信徒数は、麻原の死刑執行後も大きな変化は見られず、平成31年/令和元年においても、国内で約1650人を維持〉
と報告している。この大半がアレフの信者だが、これだけの人間が今もオウムに帰依しているのだ。
しかし、マスメディアでは、アレフや山田らの集団を警戒する報道はあっても、ひかりの輪を警戒する論調は少ない。