ずっと昔見た新聞のコラムに載っていた。
目の不自由な祖父、祖母と、
生活保護をもらいながら住んでいる女子中学生がいて、
二人の面倒を全部見てたが、ある日生活保護のお金を引ったくりされた。
これが地方ニュースになって、カンパが集まった。

役所は、そのカンパが臨時収入だからと言って、生活保護を打ち切った。
カンパの何十万円かなんてすぐになくなって、その子は役所に相談に来たけれど、
役所は臨時収入があったから再開できないと伝えた。

何度か役所に姿を見せたのは確かだが、その度に追い返したようであった。
生活保護を再開してもらえなかったことは、祖父母に言えなかった。
心配をかけたくなかったのか、どんな心境かは今となってはわからない。

目の見えない祖父母にはちゃんとオカズを作って食べさせながら、
その子はずっと、自分は塩とご飯だけ食べていたらしい。

ある時、祖父母がそれに気が付いて、
どうして自分だけそんな食事をしてるのか問いただした。
その子は笑ってごまかした、その夜、首を吊った。