お祓いのためじゃ無く、アイツが成仏出来るように。

その晩、額は裂けてたし、
よくよく見れば首の痕が大きく破けて痛かったけど、
本当にぐっすり眠れた。

お経終わってもキョドってた俺のために、笑いながらその日は泊めてくれた。

翌日、朝早く起きたつもりが、篠塚先生はすでに朝のお祈りを終らしてた。

「おはよう、義満ちゃん。さ、顔洗って朝御飯食べてらっしゃい。
 食べ終わったら本山に向かいますからね」

関係者でも何でもないんで、あまり書くのはどうかと思うが少しだけ。

篠塚先生が属している宗派は、前にも書いた通り教科書に載るくらい歴史があって、

信者の方も修行されてる方も、日本全国にいらっしゃるのね。

教えは一緒なんだけど、地理的な問題から東と西それぞれに本山があるんだって。