「内需中心」が登場した背景
望ましい経済成長の中身はどんなものだろうか。この点について日本では「内需中心の経済成長」が望ましいという考え方がほぼ常識化していたのだが、最近ではあまり使われなくなった。
私はこの「内需中心の成長」という言葉がいつ頃からいつ頃まで使われていたのかを知るために、歴代の経済演説(経済企画庁長官の国会演説)をさかのぼって調べてみたことがある(ネット上で公開されているので、調べるのは比較的簡単)。その結果によると、最初に望ましい成長を示すものとしてこの言葉が現れたのは、1982年の河本長官の演説であった。
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