モルゲロンズ病とは、皮膚の下を寄生虫などが這い回るような痒みに襲われ、その部位をかくとナノファイバーのような色とりどりの繊維が出てくるという、謎の病気。
ジョニ・ミッチェルも…ネットで感染するモルゲロンズ病とは?
ジョニ・ミッチェルも罹っていたことで話題を集めている「モルゲロンズ病」。一体どんな病気なんでしょうか。
モルジェロンズ病が初めて記録されたのは今から三〇〇年前に遡る。しかし現在まで、その存在は謎のままであり、何ら医師による治療も行われていない
2002年にペンシルバニア州在住の生物学者が、息子の皮膚病の診断に納得できず「1600年代にあったモルゲロンズに症状が似ている」とブログで紹介したのをきっかけに、その名称が定着したもの。
ジョニ・ミッチェルが4月に倒れ意識不明で病院に運ばれたことに端を発する。彼女は以前から「モルゲロンズ病」に悩まされていたそうで、ネットユーザーを中心に、この病に対して過敏に反応した格好だ。
ジョニは現在集中治療室にいるとのことで、一体何があったのかは明らかになっていないが、かなり深刻な状況だという。
このモルゲロンズ病、医学界では単なる「ネットのミーム」と片づけられています。集団妄想の専門家Robert E. Bartholomewが2006年LAタイムズに語ったように、「オンラインで人から人に感染する」集団妄想というわけですね。
CDC(アメリカ疾病予防管理センター)が2012年にまとめた調査報告でも心身症として片付けられている。アカデミック的には「ない」ということだ。
モルゲロンズ病を訴える人はみな寄生虫妄想(DOP: delusions of parasitosis)や体内侵入妄想であり、病気は患者本人の頭の中にしかないーーこれが米政府の公式見解なのです。
「本当は病気は存在するのに、なかったことにしてるのは、なんか裏でやましいことでもあるんじゃないの? ケムトレイル?」と陰謀論が強化されてる面も。
妄想というのは「誤診だ」と英紙ザ・ガーディアンに言ってる専門家もいます。痒みと神経学が専門のハーバード大学医学部教授Anne Louise Oaklander博士です。
「モルゲロンズ病患者は、目の前の症状の正体が知りたくて手を尽くしてるだけです。慢性の痒み障害なのに、そうとは診断されなくて苦しんでいる。医学界のメインストリームにひどい扱いを受けてきたんですよ。あ、記事には私の名前出してもらって大丈夫ですからね」
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