肉や野菜といった従来の食事をとらずに体に必要な栄養素を摂取可能な「ソイレント」は、世界的な問題となっている食糧問題の解決策になる可能性があり、クラウドファンディングでの資金調達から製品化、そして出荷が2014年に始まりました。
粉末を水に溶かして飲むタイプの栄養食品であるソイレントは、飲むだけで1日に必要な栄養素の全てをまかなうことができ、毎日食事を摂取する必要がなくなるという栄養食品。
さらに、生産と出荷規模を拡大することにより、ソイレントの販売価格の引き下げも検討予定。記事執筆時におけるソイレントの値段は最も安い「7袋入り(約21回分)」が70ドル(約8200円)から
実際に30日間ソイレントだけを飲んで過ごすとどうなるのか、自らの体を実験台にした男性のドキュメンタリームービー「Soylent: How I Stopped Eating for 30 Days」が公開
マーチャントさんを診断した医者は「マーチャントさんの体は健康に見えますがとても心配です。食べるという行為は、ただ栄養を補っているのではなく、人間の喜びや社会性といった部分に深い関わりを持っています」と心配を隠せません。
ソイレント生活18日目、マーチャントさんはようやくソイレントの独特な味になれてきまししたが、ソイレントしか食べられないという制約にストレスを感じ始めた
28日目のマーチャントさんは「段々、体というか頭がおかしくなってきたよ。ちょっとうつ病っぽい感じかもしれない」と明らかに精神的に弱っています。
「30日間を通して肉体的な問題を抱えることはありませんでした。もしソイレントが適切な臨床試験を通過したなら、もう一度食べてみるかもしれないね。ただ、今回の実験のおかげで、食べるという行為は幸せなことだと気づきました」
現在ソイレントの販売はアメリカに限定されており、日本国内で入手するには個人輸入か代行業者経由でないと入手できないことになっている。今回、ちょうどタイミングよく、有志で開催されたソイレントの試飲会があるというので参加してきた。
標準的な摂取方法は、粉末状のソイレントを水で溶き、付属のオイルを加えるだけ。摂取量は個々人によるが500mlくらいが目安になる。
水に溶かしたソイレントの見た感じはドロドロとしたクリーム色で、ニオイは……正直いうと、ヘラブナ釣り用の練り餌みたいだった。若干甘い匂いがマイルドさを演出しているが、正直これを口にしようとは、あまり思えない。
性質上パウダーが水に溶けきらないようで、ザラザラとした舌触りがつきまとう。粉っぽいパサパサした食感で、味のない大豆粉末そのもの。しかし、どこか懐かしさを感じる味は、「甘くないざらついたきなこ」「まずいミロ」といったところか。
付属のオイルが多少マイルドはにしてくれているようだが、ねっとりとしたニオイも味も相変わらずついて回る。これを3食毎度長く採り続けるのは厳しそうだ。
生きている限りなにかを食べ続けなければいけないのが人間の宿命。 「今晩なに食べようか」「バランスよい食事とは」など、食に考えを巡らすのは楽しくもある反面、一生続くものと考えると面倒くさいと思う人...
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