私たちの惑星の38%以上を構成している物質には、まだ正式な名前がなかった。
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これまで、その物質は非公式に「ペロブスカイト構造のマグネシウム鉄ケイ酸塩」と呼ばれていて、性質の詳細が解明されていなかった。
この物質は自然界でまだ発見されていなかったし、性質の詳細が解明されていなかった。したがって”鉱物”のリストに、正式に加えられていなかったのだ。
なぜかというと、地球内部の高温と高圧にさらされたマントルの奥深くで形成される鉱物だったから、実際に手が届かなかったのだ。
その名は、1946年のノーベル物理学賞受賞者であるパーシー・ブリッジマンに因んで、「ブリッジマナイト(Bridgmanite)」。
ある隕石の解析が進められた結果、その物質は「鉱物リスト」の仲間入りを果たした。どうやら、これが上記の物質と同じものらしい。
その隕石とは1879年、オーストラリアのクイーンズランド州に落下したテンハム隕石である。
最近になってようやくブリッジマナイトが発見され、地球の深奥で起きている化学的プロセスの理解を助ける手がかりを提供することになった。
『サイエンス』誌において発表された新しい分析によれば、米ネヴァダ大学地学部のオリヴァー・チャウナーと同僚たちが、別の隕石サンプルからこの物質を分離し、特徴を解明することがようやく可能になったという。
今回の論文公開により、ブリッジマナイトが天然に存在していることが学術的にも認められたことになりますが、まだまだ未知の部分が多いこの鉱物について、今後の研究に期待したいところです。
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