世界の残酷な風習 「誘拐婚」

男性が求婚する女性を誘拐して、処女を喪失させたり、女性が処女を喪失したことを周囲に認識させることで、「事実婚」としてしまうものである

鴨葱ネギネギ さん

608 PV

キルギスタンには日本では考えられない風習が残っている

キルギスタンには日本では決して考えられないような風習が残っています。

目当ての女性を強引に拉致し、家に連れ込んで結婚を承諾するまで家に帰さない誘拐婚。『アラ・カチュー』と呼ばれ、中央アジアのキルギスタンでは慣習として受け入れられています。

花嫁がいない結婚式場。今日もキルギスタンのどこかで、この悪夢が現実に繰り広げられる。

この強引な結婚に耐えられず、自殺をする少女も増えているという。実際、誘拐婚の場合、DVや離婚も多くなるのだとか……。

これが普通だと地元民は言う。完全なる「犯罪」だが、キルギスタンの警察は「結婚のため」と聞くと帰っていくらしい。根付いた「伝統」には逆らえないということだろうか?

写真集には、たとえば、男たちが嫌がる女性を連れ去る現場を捉えたシーンがある。泣き叫ぶ女性。押し込まれた車内の様子まで。インパクトのある写真だが、それは「誘拐結婚」の半面でしかない。ページを繰っていくと、むしろ、家に連れてこられた女性を男の家族が説得する場面など、静かなシーンが胸に響いてくる。

明らかに人権侵害ですし、もし自分が…と思うと一人でも被害者が減ってほしいと強く思います。でもセンセーショナルに捉えると、たとえば『キルギスって最低の国だ』とか、印象だけで終わってしまう。そうではなくて、連れ去られた女性はどうして結婚を受け入れるのか、家庭生活に入ったあとはどうなるのか。そういうことも知りたいと思いました

バクティエル・アサンベコフに誘拐され、首都のビシュケクから牧草地の家に連れてこられたアイティレック・イブラエバ(18歳)。 花嫁の象徴である白いスカーフを被せられ、一人部屋の中で肩を落とす。

中央アジアの小さな国キルギスでは、キルギス人の既婚女性の約4割が男に誘拐され、結婚させられているといわれている。キルギス語で「Ala Kachuu」(奪い去る)と言われ、女性たちの約85%は何時間、何日間もの抵抗の後に、結婚を受け入れる。

二回しか会ったことのない男性、アフマットに突然誘拐され、結婚を受け入れた女子大生ディナラ。最初の取材から2年が過ぎた2014年2月、彼女の「今」を取材するため、林さんは再度キルギスを訪れた。彼女はアフマットとの子供を妊娠し、臨月を迎えていた。

 若い女性を強引に連れ去り、花婿一家が説得して結婚させる「誘拐結婚」。今も続くその“慣習”の実態を取材するため、フォトジャーナリスト・林典子は2012年7月から4ヶ月に渡ってキルギスに滞在した。

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